文化遅滞説について
アメリカの社会学者オグバーンによる「文化遅滞説」という考え方があります。
文化遅滞説とは、科学技術などの物質文化に対する心理的抵抗よりも制度や習慣などの非物質文化/社会的文化に対する心理的抵抗の方が強いため、そのギャップが社会や集団に混乱や不安をもたらすと言われているものです。
何を言っているのか分からないと思いますのでもっと簡単に言うと、技術の変化は人間の思考や習慣が追いつくよりも速く、価値観の変化が間に合わないことがいろいろな摩擦や問題を引き起こすということです。
現在の例を挙げれば、人工知能やロボットの技術進歩は我々の想像を超えるスピードで進歩しています。
野村総研によれば10~20年後に、日本の労働人口の半分が就いている職業において、それらに代替することが可能と言っています。私の認識ではもっと早く進むのではと思っています。
https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
労働は人工知能やロボットが出来ますから、どんどん価値が無い時代になって来ているのです。もはや我々は「勤労は尊い」という価値観を捨てなければならない時代に来ているのです。
でも、人々の価値観はなかなかついていけない状態です。男女共同参画だとか言って、女性をもっと働かせる事が正しいと思い込んでしまいます。労働力不足だと思い込んで、外国人労働者を入れなければならないと思い込んでしまいます。年金の支給年齢を遅らせて、もっと高齢者をもっと働かせなければならないと思い込んでしまいます。
なかなか技術進歩に価値観がついていけないようです。