愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

植田和男新日銀総裁人事はとても良いニュース

ことし4月で任期が切れる日銀の黒田総裁の後任に、岸田総理大臣は、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する意向を固めました。 

東京外国為替市場は、岸田総理大臣が、日銀の黒田総裁の後任に、植田和男氏を起用する意向を固めたと伝わったことをきっかけに、ドルを売って円を買う動きが強まり、円相場は、1ドル=130円台前半まで値上がりしています。 

在任日数が歴代最長となっている日銀の黒田総裁は、いまの2期目の任期が4月8日に満了を迎えることから岸田総理大臣は、後任人事の検討を進めてきました。 

そして、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する意向を固め与党幹部らに伝えました。 

岸田総理大臣としては、植田氏が、日銀の政策運営に深く関わった経験があることに加え、経済や金融をめぐる幅広い研究実績を重視したものと見られます。 

日銀総裁の交代は10年ぶりで、新たな総裁は、ひずみも指摘されている「異次元の金融緩和」の「出口戦略」をどう描くかといった難しい課題に取り組むことになります。 

また、新たな副総裁には前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏を起用する意向です。 

岸田総理大臣は、3人の人事案を来週14日に国会に示し、できるだけ早期に同意を得たい考えです。 

植田和男氏とは 
植田和男氏(71)は1974年に東京大学理学部を卒業後、マサチューセッツ工科大学大学院などで研究活動に取り組み、1993年からは東京大学経済学部の教授を務めました。 

そして1998年から7年間は日銀の審議委員を務め、1999年の「ゼロ金利政策」や2001年の「量的緩和政策」の導入を理論面で支えました。 

その後、東京大学大学院経済学研究科の教授として大学に戻り、2008年には内閣府の調査会の会長として、日本の成長戦略を描く21世紀版「前川リポート」の取りまとめにあたりました。2017年からは共立女子大学の教授を務めています。 

長年にわたり大学で教べんを執る一方で、現在も日本政策投資銀行社外取締役や日銀金融研究所の特別顧問など学外でも幅広く活動しています。 

□円相場は1ドル=130円台前半まで値上がり 
東京外国為替市場は、岸田総理大臣が、日銀の黒田総裁の後任に、植田和男氏を起用する意向を固めたと伝わったことをきっかけに、ドルを売って円を買う動きが強まり、円相場は、1ドル=130円台前半まで値上がりしています。 

市場関係者は「日銀が新体制のもとで、遠くない将来にいまの大規模な金融緩和策の修正に動くのではないかという思惑が背景にあるとみられる」と話しています。また、債券市場では、国債を売る動きが広がり長期金利は日銀が変動幅の上限とする0.5%まで上昇しました。 
… 

後略

2023年2月10日 17時22分 
NHKニュース 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230210/k10013977461000.html

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(私の意見)
これは良いニュースです。現在の金融緩和政策の維持です。日本経済は原材料価格の上昇によるコストプッシュ型のインフレは起こっていますが、好景気によりモノがよく売れることで需要が供給を超え、モノの値段が上がる需要サイドの要因によって生じるインフレはディマインドプル型と呼ばれ、これは起こっていません。つまりデフレはまだ脱却していないのです。この段階で金融引き締めをした場合にはデフレ不況に戻ってしまいます。
日本経済は原材料価格が落ち着けば、インフレなき好景気が始まります。もう少しの段階に入りました。失われた30年からも脱却出来るかもしれません。