愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

ゾンバルトの「恋愛と贅沢と資本主義」について

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ゾンバルトの著書で「恋愛と贅沢と資本主義」というものがあります。

非常に濃い内容ですので、要約を言いますと、恋愛をすると人々は財布の紐が緩みます。恋愛対象にモテようとしてお金を遣いたくなります。その消費が経済を発展させ、資本主義を生み出したというものです。

私は恋愛が資本主義を生み出したかどうかは別として、需要を増やす事が経済を発展させ、資本主義を生み出したという点は正しいと思います。

今の日本で言えば、キャバクラ嬢に貢いだ男を例に出せばいいと思います。純愛と言うより、援助交際に近いものかもしれません。ある金のある男がキャバクラにハマりました。キャバクラ嬢にシャネルだかヴィトンだかのバックを買ってあげます。それだけではありません、高級車まで買ってあげました。それだけではありません、高級マンションまで買ってあげました。

その男は、貯金を全部使い果たしました。それだけでなく、先祖代々の資産まで売っぱらってキャバクラ嬢に貢ぎました。それだけでなく、借金までしてキャバクラ嬢に貢ぎました。

日本中の男が、あるいは男だけでなく、日本中の女もホストに貢いだとします。ものすごく不道徳な話ですよね。でも、道徳と経済は反比例の関係である場合があります。

そうすると日本経済は大成長をします。消費が増えれば、企業の売り上げが増えます。そうすると、雇用を生み出すという好循環になります。

もちろん日本中の男や女が風俗嬢にハマって金を遣いまくるなんていう仮定はあり得ないものです。

要は、貯金を崩してまで、あるいは借金してまで消費をするほどの購買力が大事なのです。今の日本にはそこまでの需要はなかなかありませんよね。なかなかそこまでして欲しい物ってありませんよね。

日銀の資金循環統計によれば、家計の金融資産は1752兆円あるそうです。負債が385兆円あるそうなのでそれを引いても1367兆円あります。日本の人口は127百万人なので、国民一人当たり1000万円以上の金融資産を持っています。一家4人なら4000万円以上の金融資産があります。相当な金額ですよね。

もちろん平均ですから、金持ちもいますし、お金のない人もいます。それを考えても相当な金額ですよね。

それだけお金がありながらなかなか消費が増えないのです。日本人は結構満足しているからなのかもしれません。でもそれだと経済が発展しなくなってしまうのですよね。そこが難しいところなのかもしれません。

でも、若い人とか子供を抱えている家庭とかは購買意欲は強いにもかかわらず、金が無いため消費を増やす事が出来ない人がかなりいると思います。日本経済の発展の鍵がその辺にあるかもしれません。

支那の新聞の方が日本経済を的確に分析している

莫大な政府債務残高がある日本、なぜ経済が崩壊しないのか=中国

日本の債務残高の大きさは国内外で知られているが、中国メディアの中億財経網がこのほど掲載した記事は、日本の債務残高は莫大な規模に達しているにも関わらず、日本国民には全く危機感がないと伝えており、日本経済が債務に持ちこたえることができる理由を読者に説明している。

 最初に記事は債務の基本的な意味について「未来のお金を前もって使用すること」であると説明。従って、債務を返済できないという事態が常態化すれば信用収縮が出現し、結果として経済は崩壊すると説明した。

 さらに、企業は投資をしたがらず、消費者も消費をしたがらない状況下で、日本政府は国債を発行して投資を行い、経済成長を促進しようとしていると指摘。こうした背景のもと、日本には非常に大きな債務があるにも関わらずなぜ経済活動を維持できるのか、なぜ経済が崩壊しないのかという問いを提起しつつ、「日本だけが特例なのだ」と説明。「こうした状況を持ちこたえられるのはおそらく日本だけ」であり、通常は持続不可能なことだと論じた。

 続けて記事は、日本企業はグローバル化を通じて世界中で富を創造し、日本国内の需要が不足していても企業は海外で収益を得ることができると指摘、民間が健全な企業活動を行い、強固な経済基盤が存在することが莫大な政府債務残高を支えていると主張した。

 また、日本政府の投資は収益性の低いインフラ設備のために投じられているのではなく、むしろ社会保障のために使用されていると指摘、これは社会の総需要の創出につながるため、経済発展にも有利であると指摘し、だからこそ日本は莫大な借金を抱えていても経済が崩壊しないのだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
http://news.searchina.net/id/1626299?page=1

(私の意見)
頭の悪い日経新聞始めとする日本の経済メディアよりも支那の新聞の方が日本経済をよっぽど正しく分析しています。 日本は非常にデフレ・供給過剰経済であり、それでいて家計や企業がお金を遣わない状態になっているので、その分を政府が財政赤字を出して埋めなければならないのです。政府が財政赤字を出さなかったら日本は大恐慌に陥ります。日本がバブル崩壊以降26年間かろうじて平均経済成長率1%を維持しているのもこの政府債務のおかげなのです。

私に言わせれば、政府債務が全然少な過ぎるくらいです。もっともっと政府は財政赤字を出さなければなりません。政府債務が増えれば増えるほど、家計や企業等の民間部門の資産は増える関係になっています。

政府はもっともっと無駄遣いをしなければなりません。無駄遣いというと語弊があるかもしませんが、とにかくなんでもいいから政府の支出を増やさなければならないという事です。それによってお金が回っているのです。

技術進歩が大恐慌を引き起こす?

多くの人達は技術の進歩は経済の成長を促進させるものであると考えている。私もその通りだと思う。しかし経済政策を誤れば、技術の進歩は経済政策を促すどころか、逆に経済の成長を悪化、停滞させてさらには大恐慌を引き起こしてしまう事もあると考えている。

技術的失業というものがあります。
技術的失業(ぎじゅつてきしつぎょう)とは技術の進歩により労働生産性上昇することに伴い起こる雇用の喪失を言います。テクノロジー失業とも言います。例えば、自動改札の普及により切符切りの仕事が無くなるという事です。労働力が技術革新によっていらなくなる事です。

労働力の需要が減少すると、
労働需要の減少→賃金の低下→購買力の低下→消費の低下→GDPの減少

というプロセスで技術の進歩はむしろ経済成長を阻害、停滞させる事さえあり得るのです。

もちろん政府が技術進歩に伴う供給力が増加した量と同量の需要の拡大政策を取れば、技術進歩を経済成長に結びつける事が出来ます。

しかし現在の政府の財政政策はどう考えても緊縮財政を取っていますので、技術進歩に伴う供給力の増加に対応する需要拡大政策を取っているとは到底思えないのが現状です。

近い将来に人工知能やロボットによってさらなる急速な供給力の増加が確実に予測されます。それにもかかわらず国会議員の多くが、緊縮財政を取り続ける事が正しいと思い込んでいます。このまま国会議員の考え方が変わらないと我が国に供給はいくらでも出来るのに需要が無いために、経済が大恐慌に陥るという非常な悲劇を引き起こします。

それどころか、この労働力の需要が減っていく時代においても国会議員の多くが労働力が足りないという誤った考え方を持っているため、外国人労働者の導入とか、男女共同参画という名で女性を労働市場に駆り出すことや、年金支給年齢を遅らせて高齢者を働かせる政策を行なっているのです。全く愚かと言わざる得ません。

自民党の政治力学と財政政策について

“トランプ効果”に頼らず機動的な対応

実際は緊縮型予算

 今年の景気や株価を左右する鍵はズバリ言って、財政の機動的な対応である。“トランプ効果”の追い風は吹き続けるとばかり楽観はしていられない。

 安倍晋三政権が昨年末にまとめた新年度政府予算案について、日経新聞などは拡張型だと批判しているが、実際は逆だ。2次、3次補正を合わせた2016年度予算に比べ、5兆円弱の緊縮型になっている。トランプ効果が薄れると景気は危うい。

 米国では金利高、ドル高を懸念する見方が徐々に広がり始めている。著名投資家のジム・ロジャース氏は年内に米株価は8割下がるとみている。投機相場の先行きは不透明なのだ。

 それでも、トランプ政策には確かな基盤がある。底堅い実体景気に加え、時代に適合した見識がある。それは、デフレ圧力や低金利の下での財政支出拡大を肯定するプリンストン大学のC・シムズ教授らの新財政理論で、「全米の経済学者が相次いで移ってきている」(浜田宏一エール大学名誉教授)。米共和党正統派の緊縮財政・財政均衡至上主義が財政赤字にこだわらないトランプ政策にとってかわるのは、決して政治的な気まぐれではない。

 マイナス金利の日本ではシムズ理論は特に当てはまる。マイナス金利で家計の金利所得はゼロ、銀行はお金を貸さない。消費税増税後の需要低迷から企業は設備投資や賃上げに慎重で、利益をため込む。ならば、政府が超低金利を活用して国債を発行し、財政支出を拡大していくというのがスジというものだ。

株高が収支改善要因

 5年目に入ったアベノミクスは当初こそ、財政支出拡大に踏み切ったが、消費税増税に踏み切った2014年度は10兆円規模の緊縮財政に転じ、結果はゼロ成長、デフレ経済、税収減への舞い戻りだ。昨年秋の大型補正の結果、1兆円余り財政拡張したが、前記の通り17年度当初予算は従来の緊縮策の域を出ない。

 安倍政権とても「財政均衡」を求める財務官僚、メディアや与党内の圧力に抗しきれないからだろうが、グラフを見ればよい。中央政府地方自治体に公的年金、医療など社会保障基金を総合した一般政府の資金収支はアベノミクス以来、劇的に改善している。日銀の異次元金融緩和によって、円安・株高が進む。それに極めて高い相関関係がある。この資金収支は財政の健全指標であるプライマリーバランス国債関連を除く基礎的財政収支)に一致する。円安が株高の動因とすれば、株高こそは財政収支改善の主エンジンである。増税や緊縮財政はデフレ圧力をもたらし円高、株安を招くのだから、いわば財政悪化の元凶でもある。

 財政主導で成長率を引き上げ、株価を下支えすれば、財政収支にも好影響をもたらす。トランプ相場にばかり気をとられるのではなく、財政重視という米新潮流をしっかりと捉えていけば、今年の日本経済は最近になく確信に満ちるだろう。(産経新聞特別記者)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170101/mca1701010500001-n1.htm

 

(私の意見)

上記は田村秀男さんの記事です。来年度の予算は今年度に比べて5兆円程度の緊縮型になるので、私はその乗数効果を含めると10兆円以上になると思われるので、来年度に補正予算が組まれないとすれば財政のマイナス効果だけで2%以上GDPを減らす効果があります。

ある自民党議員と話をした事がありますが、自民党内でも非常に財政再建教の信者というか緊縮財政を求める議員が非常に多いのです。主要議員は石原伸晃とか小泉進次郎とかいう議員です。この人達が日本経済成長の足を引っ張っています。安倍総理自身はバーナンキFRB総裁とヘリマネについて話し合うくらいですから積極財政派だと思うのですが、反対する議員の力は自民党内でも相当な勢力なので大規模な積極財政を打ち出すのは難しいようです。

石原伸晃などは消費税増税を打ち出して選挙やるべきだと言うほどのアホですし、小泉進次郎は低所得の高齢者にたった3万円の臨時給付金を出しただけで反発しているほどです。こんな連中が総理大臣になっていたら、日本経済は確実に今よりも悪くなっていたでしょう。

愛国派とされている稲田朋美さんも消費税増税に賛成していましたから、この人も経済を理解していません。むしろ親中親韓派とされている二階俊博幹事長の方が消費税増税に反対でしたし、積極財政派ですし経済に関しては理解しています。

積極財政派と緊縮財政派の綱引きの中で積極財政を打ち出す事が出来ず、バブル崩壊以降26年間平均経済成長率1%のほぼゼロ成長しか出来ませんでした。残念ながらよっぽど政治力学の変化が無い限りこの状況は続きそうです。

 

財政出動のGDPに対する影響について

GDPとは需要の積み上げです。遣われたお金の額の積み上げです。
GDP=消費+民間投資(設備投資+住宅投資)+政府支出(政府最終消費支出+公的固定資本形成)+純輸出(輸出−輸入)

消費、民間投資、政府支出、純輸出の項目を増やす事がGDPを増やす事なのです。

本日は財政出動GDPに与える影響について考えます。

財政出動を行い、政府がお金を遣えば政府支出の項目が増加します。
よく政府支出の金額ではなく、中身が重要であるという意見を聞きます。しかし、マクロ経済という観点から言えば、はっきり言って何にお金を遣うかは関係ないのです。社会保障でも防衛費でも公共事業費でも支出する金額を増やせば政府支出は増加し、GDPは増加します。批判が強い、公務員の給与を引き上げても、GDPは増加します。

政府がお金を使えば、どこかの企業の売上げになり、誰かの収入になるのです。そしてその収入が国民の消費支出を増加させます。公共事業だったら、本当に穴を掘って、埋めるだけの公共事業でもいいのです。あるいは、政治家が使う公用車を高級車にしてもいいのです。あるいは、官僚の官官接待費に遣ってもいいのです。

しかし、国民が不況で苦しんでいる時にそんなものに金を遣ったら大非難を浴びますからなかなかそんな事は出来ないですよね。そこが難しいところなのですよね。マクロ経済という観点から言えばもっとお金を無駄遣いしなければならないが、民主主義の政府が不況下にそんな事をする事は国民から非難を浴びますので、政治的に難しい。

では、政府がお金を遣うという方法ではなく、減税という方法はどうでしょうか。もちろん私はこの方法も賛成です。消費税や所得税を減税すれば、消費支出は増加しますし、法人税を減税すれば、企業の設備投資は増加すると思います。(ただし法人税減税が設備投資を増加させるかについては、法人税の構造上及びこれだけ企業の内部留保が多い現状から考えると、かなり少ないと思います。)

では、政府が直接お金を遣うのと、減税をするか 、あるいは国民にお金を給付して遣ってもらうのではどちらが経済効果が高いのでしょうか。これは公務員試験の経済学の問題にも出てくる論点です。政府支出乗数と減税乗数では、どちらが高いのでしょうか。なんとなく国民一般の感覚から言うと、政府が直接お金を遣うより、国民にお金を渡して遣った方が効果が高い感じがします。

しかし結論を言えば、政府支出乗数の方が高いのです。政府が1兆円支出を増やした場合には、確実に1兆円需要が増え、それで収入が増えた人が需要増やし、それで収入を増やした人が需要を増やすという形で増えていきます。これを乗数効果と言います。減税乗数の場合には、必ず得たお金の一部を貯蓄に回してしまいますので、そこから乗数が始まりますので、減税乗数の方が効果が少なくなります。

政府がお金を遣う金額を増やせば確実にGDPは増え、経済は成長します。これは疑う余地の無い事実なのですが、政治的に難しいというのが現実です。

通貨発行権を奪い取られたギリシャの悲劇

EUとドイツは金融支援の条件としてギリシャに緊縮財政を強要している。2015年7月、トマ・ピケティらはアンゲラ・メルケルに公開書簡を出し、ギリシャの緊縮財政を停止するように求めた。だがメルケルは全く応じない。

2015年の時点でギリシャの緊縮財政政策は既に6年めに突入している。2015年度のギリシャ失業率は約25%であり、若年失業率にいたってはさらに深刻な状況である。 ギリシャの若い女性も仕事が無い。それらの女性達は食べ物を得るためであったり、税や請求書の支払いをするために 売春を余儀なくされる。

この大恐慌のために売春婦の数は2.5倍になった。 ギリシャ危機当初は売春は30分あたり50ユーロだったが、2015年には約2ユーロにまで値段が下がった。ギリシャの若い女性がサンドイッチの値段で売春させられていることになる。

既婚女性は子供を学校へ行かせるお金どころか、朝食を食べるお金すら無いため、売春を余儀なくされる。そして状況はさらに悪化。危機が始まってから4年でHIVの感染者数が3倍になった。2012年ギリシャ政府はHIVに感染した売春婦の顔写真を公開した。 政府によるこの顔写真公開は、他の女性がHIVの検査をすることに消極的になるため、HIVのさらなる拡大を防ぐ効果が薄いと考えられている 。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/緊縮財政政策
(私の意見)

ギリシァはEUに通貨発行権を奪われています。ですから、自由に自国の通貨を増やす事ができないのです。その上で、EUはギリシァに緊縮財政を強要しているのです。まさに、イジメ以外の何物でもありません。

よくギリシァ人は怠け者だからギリシャ経済は破綻したという人がいますが、それは全く事実を把握していません。

http://keizaikakumei.hatenablog.com/entry/2016/11/18/183016

ギリシャの経済を復活させたければ、自国の通貨のどんどん発行量を増やして、自国の通貨を下落させればいいだけです。そして、それを財源に積極財政を行えばいいだけです。そうすればギリシャ経済は復活します。でもそれが出来ないのです。通貨発行権が無いからです。

ギリシャの若い女性は日本円で数百円のために売春しているそうです。シャネルやヴィトンのバックが欲しい為に売春している女性が微笑ましく思えるほどです。まさにこれが誤った経済政策の結果です。別にギリシャ後進国ではありません。先進国とまではいえませんが、そこそこの経済の国でした。その国がこのような状態になっているのです。

日本の経済政策は様々な問題があるとはいえ、ギリシャに比べればはるかにマトモだといえます。賃金はなかなか上がらないとはいえ、失業率は世界最低の水準ですし、有効求人倍率も高いです。倒産件数も最低水準です。

金融緩和のGDPに対する影響について

GDPとは需要の積み上げです。遣われたお金の額の積み上げです。
GDP=消費+民間投資(設備投資+住宅投資)+政府支出(政府最終消費支出+公的固定資本形成)+純輸出(輸出−輸入)

消費、民間投資、政府支出、純輸出の項目を増やす事がGDPを増やす事なのです。

本日は、金融緩和という政策がどのようにGDPに作用するのか考えてみたいと思います。

金融緩和というの通常、公定歩合を下げたり、買いオペ(中央銀行国債を購入すること)です。それと最近の金融政策では、日銀は国債だけでなくETF日経平均等の指数連動型投資信託)やREIT不動産投資信託)も購入しています。簡単に言えば、日銀が株式や不動産も購入しているという事です。

金融緩和は、市場に資金を供給する事になりますので、金利が下がります。金利が下がると、企業はお金を借りて、商売を広げるメリットが大きくなりますので設備投資が増加します。また家計は住宅ローンを組んで家を購入すると事にメリットが大きくなりますので住宅投資が増加します。上記の民間投資が増加します。

ちなみに、消費に対する影響ですが、消費者がクレジットカードで借りて消費したり、自動車ローンを組んで自動車を購入する事が一般的ではない日本では、金利が下がる事で消費の増加に影響する事はほとんどないと思います。

また自国の金利が低下すると、他国との金利差で自国の通貨が下落します。例えば、日本の金利が下落すると、日本で資金を調達して、他国に投資した方が有利となりますので、外国に資金が流出しますので円安となります。自国通貨が下落すると、輸出が有利になり、輸入が不利となりますので、上記の純輸出が増加します。

最近の金融政策である日銀のETFREITの購入についても考えてみたいと思います。企業や家計は株式や不動産などの資産を保有しています。これらの資産価値が上昇すれば、資産効果により家計や企業は消費や投資を増やすと考えられます。日銀が購入を増やせば、これらの資産価格は上昇します。

資産効果とは、自分が保有している土地の価格が上がったとします。すると何の変化もないのですが、お金持ちになった気分になります。それにより消費が増えるというものです。バブル経済の頃に地価が大幅に上昇しました。その影響で消費も増えたようです。また同様に資産価値の上昇は企業のバランスシートも改善しますので、企業の設備投資など民間投資も上昇させるものと考えられます。

ざっと、金融緩和のGDPに対する影響を考えてみました。日銀は現在、国債を80兆円、ETFを6兆円、REITを900億円購入しています。私は金融緩和はある程度効いていると考えています。金融緩和をしなかったらもっと株価や不動産下がっていたであろうし、また円高で日本経済を苦しめていたであろうと考えます。

ただし効きが弱い事も事実だと思います。効きが弱いから止めるのではなく、もっと国債ETFREITの購入額をもっと大幅に増やさなければならないという事です。さらに国債だけでなく、地方債や政府保証債や財投債も購入すべきだと思います。あるいは以前にも述べました米国債を大量に購入してもいいと思います。現状の日銀の制度の権限の中ではこういった方法を進めていくしかないと思います。

しかし、こんな政策をやるくらいだったら、日銀にお金を発行させて国民全員にお金を配るというベーシックインカムという政策が一番なのです。どうせお金を発行するなら、国民全員にプレゼントした方が平等なのです。現状の制度を前提とするとなかなか難しいですが。