愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

高橋洋一先生は間違っていたが、日銀はもっと間違っていた

日銀の構造失業率の認識は誤っている だから賃金も物価も本格的に上がらない 2016.05.25

 

金融政策の目的は「物価の安定」といわれることが多いが、物価は失業率と裏腹の関係があり、金融政策は雇用政策である。

 失業率は低ければ低いほどよく、ゼロが理想であるが、実際にはゼロにならない。どうしても、雇用のミスマッチなどで、これ以上下げることができないという失業率が存在する。これを構造失業率という。いくら金融緩和をしても、構造失業率よりは下がらず、インフレ率だけが高くなってしまうのだ。

 そこで、構造失業率に関する見解を聞けば、その人がどのくらい金融政策を理解しているかどうかがわかる。アベノミクスの金融政策について否定的な見方をする人は、金融政策の本来の目的と構造失業率について、ほとんど理解していない。

 構造失業率のことを考えていないことすらしばしばだが、構造失業率の水準を尋ねると、4%台などとんでもないことを言い出す人も多い。金融政策が不要であると言いたい

というわけで、金融政策については、日銀が構造失業率をどう考えているかがきわめて重要な話だ。4月の金融政策決定会合後に公表された「経済・物価情勢の展望」の中に、構造失業率に関する図がある。それによれば、日銀は3%前半とみている。

 そういえば、3月16日、官邸で行われた国際金融経済分析会合で、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁がジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授に「日本で賃上げのペースが遅いのはなぜか」と質問した。黒田総裁は、すでに今の失業率が構造失業率に達しているのに、なぜ、賃金が上がらないのかと不思議に思っているようだ。日銀が構造失業率を3%前半とみているから、こうした疑問が出てくるのだろう。

 これに対する筆者の答えは、「日銀が間違っており、構造失業率は2・7%程度だ」というものだ。だから、まだ賃上げは本格化せず、物価も上がりにくいのだ。

 構造失業率を推計する方法としては、フィリップス曲線による分析(特にNAIRU=インフレを加速させない失業率=の推計)があるが、より容易に正確に推計できるのが「UV分析」という方法だ。

 UV分析とは、縦軸に失業率(U)、横軸に欠員率(V)をとり、その動向から構造失業率を算出するもので、厚生労働省の「職業安定業務統計」による欠員統計を利用できる。

 金融緩和すると、第1段階では失業率が下がり欠員率が上がる。この状態が続くと、そのうち本当に人手不足になり、第2段階では失業率は下がるが欠員率も下がる。1990年以降をみると、十分な金融緩和が行われなかったため、日銀は第2段階の経験がない。

 データによると、日本の現状はまだ第1段階であり、この時点での構造失業率を推計すると日銀のいうように3%台前半だろう。しかし、第2段階まで見越すと、構造失業率は2・7%程度になる。そこまでいけば、賃金・物価も本格的に上がり出すはずだ。逆にいえば、失業率が3%を切るまで金融緩和しないと、2%の物価目標も達成できない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一

【日本の解き方】日銀の構造失業率の認識は誤っている だから賃金も物価も本格的に上がらない (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK

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(私の意見)

2年前の結構古い記事からの引用です。平成30年5月の失業率が2.2%で、6月に失業率が2.4%ですが、インフレ率2%には程遠く全く達成していません。日銀の3%前半でインフレが起こり始めると分析していたのが論外としても、2年前の時点で高橋洋一先生も2.7%まで下がればインフレが起こるとしていた予測も間違っていました。

どうも高橋洋一先生も日本のデフレの根深さを甘く見ていたようですし、また失業率が下がってもインフレ率がなかなか上がらないという経済の構造の変化を見逃していたようです。

バブル経済の頃は2%前半の失業率で2〜3%のインフレ率でした。理由ははっきりとしませんが、ITやAI化の影響で失業率が下がっても物価や賃金に影響を与えなくなったのか、それとも雇用の流動性が強くなったせいなのか、ちょっと良く分かりません。

いずれにしても今の時点でまだ金融引締めを行なってはならない事は明らかであり、更なる積極財政が必要な事も明らかです。

どうもリフレ派とされる経済学者でさえ日本のデフレの根深さや経済の構造の変化を甘く見ていたようです。