業務スーパーの流行はデフレの根深さを物語っている
業務スーパー、株式時価総額で三越伊勢丹を上回る…激安実現のため“極限の努力”
「業務スーパー」を展開する神戸物産の株価は連日続伸した。12月11日には3630円まで上昇した。10月末に1株を2株に株式分割しており、株式分割考慮後の実質的な上場来高値を更新した。みずほ証券は4200円の目標株価を打ち出している。
11月末にあたる11月29日の終値の株式時価総額は4644億円。百貨店大手のJ.フロントリテイリング(3890億円)、三越伊勢丹ホールディングス(3860億円)、高島屋(2296億円)を大きく上回る。
中略
10月の単体業績(速報値)では、売上高が前年同月比15.6%増の260億円となった。消費増税後、駆け込み需要の反動減となった小売企業が多いなかで、9月(16.7%増)までと同様に2ケタの高い伸び率を維持した。
12月13日に発表した2019年10月期の連結決算は、純利益が前の期(18年10月期)に比べて16%増の120億円だった。利益率の高いPB商品の販売が好調。新規出店による店舗の増加も寄与した。売上高は同12%増の2996億円。同日記者会見した沼田博和社長は「消費増税後も販売は堅調」と、先行きに対して自信を示した。
2020年10月期の純利益は19年同期比11%増の133億円を見込む。新規出店は30店を計画。店舗増がプラスに働く。売上高は同4%増の3118億円の予定だ。
業務スーパーは2月17日、テレビ番組『坂上&指原のつぶれない店』(TBS系)内で「客殺到!! 超大量なのにナゼか超激安!? 業務スーパーSP」と題して紹介された。番組ではやきそばが1キログラム138円、鶏肉2キログラム880円など、文字通り「超大量なのに超激安」で販売している様子を伝えた。
激安を実現できる理由は、自社・グループ工場で製造したPB商品が主力だからである。国内外の生産子会社は15社、22工場(うち中国2工場)。これに加えて海外の約350の協力工場から商品を調達している。輸入先のうち半分は中国からで、残り半分は欧米、ASEAN、中南米地域からの直輸入。輸入先は40カ国に上り、ここ数年は中国以外の国から輸入を増やしている。2019年の最大のヒット商品となったタピオカドリンク(ミルクティー)は台湾からの輸入である。
後略
https://biz-journal.jp/2019/12/post_132450.html
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(私の意見)
業務スーパーは言わずと知れた激安の小売店ですが、時価総額ではデパートを大幅に上回っているそうです。デパートの衰退と激安店の流行はいかにデフレが根深いかを物語っています。
物価上昇率の日銀目標は2%ですが、7年を経過していますが未だに達成出来ていません。財政出動はやっていませんが、金融緩和は極限までやっています。それでも物価上昇率は0%台であります。
消費者は商品を激安で買うことに慣れきってしまいました。このデフレマインドを変える事は容易ではありません。日銀資金循環統計によれば家計の金融資産は1860兆円もあります。しかし遣おうとはしません。
物価が上昇し始めれば金融資産はどんどん目減りしていきます。そうすると預貯金はどんどん目減りしていきますので消費しないと損な状態になります。物価が上がらない事と消費が伸びない事は因果関係であり、また悪循環なのです。
この状態を変えるためには、100兆円以上の規模の財政出動が必要だと思います。何度も言うようですが、それくらい思い切った財政出動をやらないとデフレは解消しないのです。本当に発想の転換が難しいです。