愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

国債の発行と政府貨幣(日銀の国債保有)で財源を調達する違いについて

以前にも言いましたが、政府が財源を調達したいとします。3つの方法があります。
①租税を徴収する。
国債を発行する。
③貨幣を発行する。

①と②は御存知だと思います。しかし③については知らない人が多いのです。

実は硬貨は政府が発行する貨幣であり、③なんです。

紙幣についてはどうなのでしょうか。それは、政府が国債を発行して、その発行した国債と同額を日銀が買い取り日銀券を発行すれば、③と同じになります。

この日銀の国債保有という方法は、現在では国債の40%以上をもはや買い取っていますから、実質的には貨幣発行が行われています。

しかしこの日銀の国債保有や政府貨幣(政府紙幣)による財源の調達というのは、アベノミクスが始まるまでタブーの様なものでした。

今回は、政府が②国債の発行と③貨幣の発行(日銀の国債保有)のどちらで財源を調達するかで、その財源を誰が負担するかについて説明したいと思います。

結論から言うと、②国債の発行で財源を調達した場合には、富裕層にお金あげるという事になります。③貨幣の発行(日銀の国債保有)の場合には、富裕層が財源を負担するという事になります。

国債の発行の場合には、現金や預貯金を持っている人に買ってもらわなければなりません。貧困層は現金や預貯金をほとんど持っていませんから、富裕層に買ってもらうということになります。国債金利を政府は富裕層に支払うわけです。国債はもっとも安全な金融資産ですから、富裕層は何のリスクも冒さず、所得を得ることになります。国債の発行量が増える事は金利の上昇を引き起こします。金利の上昇は、預貯金などの金融資産保有者がメリットを得ます。

③貨幣の発行(日銀の国債保有)の場合には、政府は利息がつかない貨幣を支払って、財やサービスを購入します。この場合、インフレ税(これは正確には経済学の用語ではありませんが、現金や預貯金の価値が物価上昇によって目減りするという意味で使われます)が発生します。インフレ税の負担者は現金や預貯金を大量に保有している富裕層が負担することになります。債務者にとっては、債務が減少しますからメリットを得ます。労働力を販売するしかない一般の労働者はインフレによって、失業は減り、賃金は上昇にするのでメリットを得ます。生活保護者や年金生活者はインフレに伴って、財政が改善する等で給付額も上昇しますから、手厚い保護を受けられます。

日本の国や地方の長期債務残高はおよそ1100兆円です。そのうち300兆円くらいが金利の支払い分です。つまり、政府が富裕層に300兆円支払っていたのと同じ事です。

現在は長期金利(10年国債金利)を日銀が0%で買い取る金融政策を決定しています。つまりもっと早くこの金融政策を決定していれば政府が富裕層に300兆円も払う必要がなかったのです。

アベノミクスに対しては色々な評価がありますが、長期金利0%を決定して、事実上の政府紙幣の発行を行なっていることについて、ものすごく私は評価しています。国債を発行する場合にタダで富裕層にお金をあげているだけの馬鹿げた制度をやめたという事なのです。

民進党共産党などの格差の是正を主張する政党が、長期金利0%の事実上の政府紙幣の発行を批判しているというのは、経済を理解していないのか、または本心では格差の拡大を望んでいるかのどちらかでしかありません。

中央銀行という仕組みはユダヤ人が国家から通貨発行権を奪うために作った制度です。それは、政府紙幣の発行をさせず、国債を発行させることにより、国家から富裕層がお金を巻き上げる仕組みなのです。これを止めさせたアベノミクスはそれだけでスゴイと思います。