愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

山崎元氏のベーシックインカム論は意味が無い

http://diamond.jp/articles/-/10608

「国の予算は、新しい支出に対して厳しく「恒久的財源」を求めるが、財源の問題はどうか。一人月5万円のベーシックインカムだとすると、年間に必要な財源は約75兆円だ。これは、巨額に見えるかも知れないが、現在の社会保障給付は既に年間約90兆円ある。年金、雇用保険などで既に負担している保険料も含めて税金に置き換えてベーシックインカムの財源とすることができれば、健康保険など医療関係の支出約30兆円を除外して、追加財源は15兆円程度で実施可能だ。消費税で賄うなら、5%程度の税率引き上げでいい。また、税金を払う人もベーシックインカムを受け取るので、お金の出入りに重複があり、見かけほど負担が増えるわけではないから、規模的には月5万円以上のベーシックインカムも実現可能だろう。」
ここは山崎元氏の趣旨の引用

山崎元という人も、ベーシックインカム論を唱えている。しかし私はこの人のベーシックインカム論には、反対というか意味が無いと思っている。

山崎元氏のベーシックインカム論の最大の欠点は、その財源を現在の社会福祉の廃止や消費税の増税に求めている事だ。

この人もやはり、財源を租税などで求めなければならないと思い込んでいるのか、あるいは、日銀の国債保有、ヘリマネ、通貨発行権というものについて知らないふりをしているのかのどっちかであろう。

現在はデフレ状態であるから、財源を通貨発行権等に求めるのが望ましのである。

しかも、例えば公的年金を廃止してそれを財源にベーシックインカムを行うとしようとしよう。公的年金はそれがもらえる事を見込んで払い込んでいたのである。いわば既得権である。そんなものを廃止するなんて政治的に不可能である。その他の福祉だってほぼ同様に既得権益化しているのである。別に既得権益とは必ずしも悪いものでは無い。人間は誰でも自分の利益は守るのである。結局、そしてベーシックインカムの実現は難しい事を本人が認めているのである。

私は、ベーシックインカム論者であるが、やはり通貨発行権(シニョリッジ)に求めなければ意味が無いと思っている。現在の福祉をベーシックインカムに変えるだけでは、ただ同じパイを奪い合っているだけに過ぎないのである。私はとにかく全体のパイを増やさなければならないと思っている。