東京都都議会議員選挙の結果分析
東京都都議会議員選挙は御承知の通り、小池都民ファーストが圧勝しました。
自民党は歴史的な大敗をしました。
この選挙結果については、色々な見方があると思いますが、私なりの見方を述べたいと思います。
まず小池百合子という人物は政局を読む能力が天才的と言えます。
小池氏はいわゆる劇場型政治という手法を使いました。この手法は小泉純一郎や橋下徹も使った手法です。
単純明快なキャッチフレーズを打ち出し、マスメディアを通じて広く大衆に支持を訴える、ポピュリズム的政治手法です。敵対勢力を悪役に見立て、自分は庶民の味方として戦いを挑むといった構図を作り上げ、国民の関心を引きつけるというものです。
小泉元総理は特定郵便局長会を敵に回して郵政選挙をおこない大勝利しました。しかし今は特定郵便局長会は自民党の集票団体に戻っています。かつて郵政選挙で特定郵便局長会を敵に回して選挙した事などほとんどの国民は忘れ去っています。
小池氏は内田茂という都議会ドンをはじめとする都議会自民党を悪役にしてメディアを利用して支持を得ました。数年後にはこの事もやはり忘れ去られている事でしょう。
ただ小池氏は単に劇場型政治をやって浮動票を得ただけではありません。組織票も完璧に固めました。
創価学会・公明党は自民党と同盟関係にあり、自民党を支援しています。しかし今回の都議選においては、都議会自民党から切り離し、創価学会・公明党の組織票を都民ファーストに回す事に成功しました。創価学会・公明党が候補者を立てていない、一人区・二人区では創価学会の組織票が都民ファーストに上積みされました。
さらに、本来は民進党の支持基盤である連合票の多くを取り込む事にも成功しました。
http://www.rengo-tokyo.gr.jp/html/togikai2017/suisen170622.pdf
劇場型政治によって浮動票を取り込むだけでなく、創価学会や連合といった組織票まで取り込んだ訳です。これだけ完璧にやれば負けるはずがないのです。
結果は当然、小池都民ファーストが史上かつてないくらいの圧勝に終わりました。ほとんどが新人議員の都民ファーストがここまで完璧に勝つというのは、小池という人物のすごさを感じさせます。