愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

住宅の供給過剰について考える


 少し大胆な予測をしてみよう。ずばり20年後の住宅市場はどうなっているのか。

 前提としては、日本の人口減少と少子高齢化がこのまま続くと考える。2035年頃の人口は、今より1000万人以上少ない約1億1200万人。住宅は今よりも1000万戸は多くなっているはず。すると、空き家数は今の倍以上の約2000万戸。率にすると約30%に達しているはずだ。空き家問題は今よりも深刻化する。

 最も難しい問題は、多くの住宅が「無価値化」することだろう。つまり、中古住宅として売り出しても買い手がつかない状態になる。今は、地方の住み手がいない空き家がほぼ無価値。タダでももらってくれる人がいない状態。それがだんだん都心に迫ってくる。

 首都圏でも、千葉や埼玉の都心まで実質1時間以上の通勤限界圏にある住宅は、よほど駅に近くない限り無価値化するだろう。例えば、千葉ニュータウンはその典型になるはずだ。港北ニュータウンも決して油断できない。関西なら西神ニュータウンが危険だ。

 新築マンションは、都心の一部でしか供給されなくなる。郊外エリアでは中古マンションとの価格乖離が激しくなって、商品として成立しなくなる。新築の一戸建ても同じ。都心近郊エリアでしか成立しない商品となる。

 築20年以上の中古マンションは、かなりの供給過剰状態になるはずだ。売り出し物件がたくさんあるにもかかわらず、買い手が絶対的に不足する状態。平均年収の2年分くらいで買えるようになるだろう。つまり、都心へ30分通勤圏で築20年の3LDKが1000万円程度で買えるようになる。

賃貸マンションの家賃も劇的に下落しているはずだ。都心でも今の貨幣価値にして10万円も出せば、家族でゆったり暮らせるマンションが借りられるだろう。

 したがって、今35年ローンを組んで都心近郊や郊外にマンションを買っても、20年後にはその資産価値がローン残高を下回っている可能性が高い。これからの時代は、マイホーム購入で無理をしてはいけないのだ。

 ただ、今後20年を快適に暮らすための住宅は必要。20年後の資産価値下落を覚悟して住宅を購入するか、当面の間は賃貸に住んで価格下落局面を待つか、それぞれの価値判断と人生設計に基づいて決めるべきだ。

 ひとつ言えることは、需要と供給の関係に従えば、今後日本の住宅の資産価値が向上することは考えにくい。今の都心バブルのように、外国人や相続税対策の一時的な需要によって価格が上昇するような現象はあっても、中長期的にみれば下落すると考えるべきだ。現に、都心や一部地域以外の日本のほとんどのエリアで住宅価格は下落傾向にある。

 われわれの子供たちは、親の世代よりも低価格で広い住宅に住めることがほぼ確実。これは良いことでもあるが、その代わり空き家問題という深刻な副産物を伴う。マンションなら廃虚化の危機に立ち向かわなければならない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150621/ecn1506210830002-n2.htm

〈私の意見〉私は不動産の専門家ではなく、不動産業界の人間でもありません。不動産業界の方から見れば、幼稚な知識と思うかもしれません。私はあくまで愛国の政治活動家であり、そのために日本経済を再び経済成長にのせなければならないと思っている者です。その立場から日本の不動産の将来について考えたいと思います。

上記の専門家もおっしゃっているように、現在は不動産を購入する事にはよっぽどの優良物件でもない限り非常にリスクが高いようです。現在は超低金利の状況ですので、ある程度の信用があればタダ同然の金利で住宅ローンが組めます。また、低金利ですのでアパートローンを組んでアパートを購入する方も多いようです。しかし現在の不動産の供給過剰状況を考えますと、非常にリスクが高いようです。またそこにつけ込む悪徳業者も多いようです。

マクロ経済という観点から言えば、住宅ローンを組んで積極的に国民に住宅を購入させる事で景気対策を図ってきた面があります。しかし日本の住宅の耐用年数はそれほど長くないのでなかなか実際には資産にならない様です。さらに供給過剰状況を考えれば、価格は下落傾向は確実ですので、さらに住宅は資産になりにくいでしょう。それでもマクロ経済という観点から言えば、「作っては壊す」を繰り返した方が経済効果は高いので、それを国土交通省の政策としても推進してきた面があると思います。

そして作りすぎて、そして人口も減少を始めて、住宅の供給過剰状況になっています。住宅が供給過剰だからといって、移民を入れてそれを埋めるなんていう愚かな考え方には絶対反対です。近い将来には、地方や郊外などは空き家の家だらけになります。もう数年後には完全自動運転車が実用化されますから、ある程度の郊外の住宅でも利便性が上がるかもしれません。しかし、これだけの住宅の供給過剰状況は変わらないでしょう。これはある意味仕方がない問題かもしれません。

住宅の建設を景気対策に使ってきたツケが回ってきたと言えばそうかもしれませんが、それだって住宅投資というGDPの構成項目を引き上げる効果があったわけですから、間違っていたとは言えません。しかしこのやり方ももはや限界に来ているとも言えます。

やはり、ヘリマネを財源とするベーシックインカム等の国民全員にお金を配るなどの新たな政策を打ち出していく時期に入っていると思います。