愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

アメリカの1920年代と日本の1980年代

私はアメリカの1920年代と日本の1980年代は酷似していると考えている。

 

アメリカの1920年代は狂騒の20年代と呼ばれる。経済は成長し、アメリカ文化が花開いた時期であった。現代のアメリカ文化とされるジャズ・ミュージックや映画文化はこの時代に原型が出来たと言える。女性が人前でキスをする様なアメリカ文化もこの時代からだとされる。

 

また、ヘンリー・フォードの自動車、グラハム・ベルの電話、エジソンの電球や映画や蓄音機などの技術革新が実用化され花開いた時期であった。

 

一方、日本の1980年代も世界で初めて軽薄短小と呼ばれる電子技術が花開いた時代であった。そして文化も女性が派手になり、ジュリアナ東京の様なものがもてはやされた時期でもあった。

 

つまり、アメリカの1920年代と日本の1980年代は急激な生産性の上昇、つまり供給力の上昇があったのである。両国ともそれに対して、金融緩和を行う事で総需要の拡大を行った。しかし金融緩和だけでは急激な供給力の上昇に対する需要を賄う事は出来ず、金余り現象が起こり、その余った資金が土地や株式などのマネーゲームに流れることになるのである。

 

そして行き過ぎたマネーゲームを抑えるために両国とも金融引締めを行った。それがアメリカの1929年の株式大暴落に始まる世界大恐慌であり、日本の1990年に始まるバブル経済の崩壊であった。

 

アメリカは1930年代の失われた10年ののち幸い(?)にも第二次世界大戦が起こり、大規模な積極財政、総需要の拡大が行われ、デフレの脱却に成功する事が出来た。

 

一方で日本は、1991年から2017年まで大規模な総需要の拡大を行う事が出来ず、平均経済成長率1%という惨憺たる状況となった。もうすぐ失われた30年になりそうである。

 

積極財政、総需要の拡大さえ行えれば再び高い経済成長率に戻す事が出来るのですが、一番マトモな自民党内でさえこれほど積極財政に反対が多いのである。積極財政など夢のまた夢の状況である。