愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

経常収支の黒字について

経常黒字10兆5101億円=リーマン後、最大―17年上半期
8/8(火) 9:05
財務省が8日発表した2017年上半期(1~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益などの状況を示す経常収支は、10兆5101億円の黒字となった。経常黒字額は前年同期比0.3%増で、半期ベースで2期ぶりに10兆円台を回復。07年下半期に次ぐ高水準で、リーマン・ショック後では最大だった。

 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆531億円の黒字。輸出は半導体製造装置や自動車部品の好調を受け10.1%増の37兆3076億円。輸入は資源価格の大幅な上昇で11.8%増の35兆2545億円となり、輸出額の伸びを上回ったため、貿易収支の黒字幅は縮小した。

 企業が海外から受け取る配当や利子収入などを示す第1次所得収支の黒字額は、2.2%増の9兆7622億円となった。企業が海外子会社から受け取る配当金が増加した。

 サービス収支は2974億円の赤字。訪日観光客数が伸び、旅行収支は半期ベースで過去最高を記録したが、知的財産権の使用料減少などで赤字幅が拡大した。

 

headlines.yahoo.co.jp

(私の意見)---------------------------------
経常収支の黒字が大きいというのは、日本が外国に勝っていると思ってしまう人が多いと思います。確かに産業競争力が強いから、経常収支の黒字が大きいという面はあります。しかし一方で日本の内需が不足しているから、外需に頼らざる得ないという面もあるという事を考えなければなりません。

経常収支の黒字分というのは、海外に財やサービスを与えた、対価として受け取った金額です。そう考えると儲けです。では、経常収支の黒字分と同額の財やサービスをヘリマネ(日銀の国債保有)を財源として、日本政府が買い取って、それを国民に無償でプレゼントしたとします。それでも需要に対する経済効果は全く同じなのです。

そう考えると、外需を振興するよりも、内需を振興した方がはるかに良いという事が分かると思います。ケインズは「景気対策のためには穴を掘って埋めるだけの公共事業でもやらないよりやった方がマシである」と言っています。確かにケインズの言う通りなのですが、外需振興というのは、いわば外国の人々に財やサービスを与えて景気対策をやっているのと同じですから、まさに自国にとっては穴を掘って埋めるだけの公共事業なのです。そんな事をするくらいなら自国民に財やサービスを与えて景気対策をやった方が良いと思います。外需振興で景気が良くなっても豊かさを感じられないのはそのためです。