捏造のGDPギャップ統計について2
前回に続き、GDPギャップについて取り上げます。
現在、内閣府や日銀から出されているGDPギャップは単に近年の平均値を出しただけで、これを潜在GDPとする事は、国会議員や国民を欺くための捏造であるという話をしました。
しかし40年くらい前までは、このGDPギャップについて旧内閣府(経済企画庁)は適正な数字を出していたのです。私が過去の経済白書を読んでいて、それを見つけました。
1978年の経済白書から見つけたものです。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/keizaiwp/wp-je78/wp-je78bun-2-2-1z.html
これによれば1965年のGDPギャップ(需給ギャップ)が19.2%もあるのです。
ちなみに1965年は高度経済成長期でオリンピック景気といざなぎ景気のはざまです。この時ですら5%程度の経済成長率がありました。ちなみに高度経済成長期は5%の経済成長率でさえ、不況と言われていました。
つまり毎年10%も需要が増えている高度経済成長ような時代でさえ、20%も供給余力があるという事なのです。これを考えれば、現在のようなほとんど経済成長率がほぼ0%の時代なら、需要さえ増えれば、供給はいくらでも応じる事が出来ると考えるのが自然です。
ちなみに現在の内閣府から発表されているGDPギャップです。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/1712gap.xls
0.1%のインフレギャップが生じていると言っているのです。もう内閣府はアタマが狂っているとしか思えません。
過去の経済白書を見ていると、どうも40年くらい前から、適正なGDPギャップ(需給ギャップ)の推定を辞めて、現在の平均値をGDPギャップとする推定方法に変更しました。
ちょうど財務省が「財政再建教」や「大型間接税導入増税教」というカルト宗教を布教し始めたのと同じ時期です。