愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

ウェーバーのプロ倫は間違いである

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(プロテスタンティズムのりんりとしほんしゅぎのせいしん)は、ドイツの社会学マックス・ヴェーバーによって1904年~1905年に著された論文です。大学教育現場などでは『プロ倫』と略する場合が多いですね。文系の4年生大学を出た人なら、原典は読んだ事なくとも一度は何らかの形で触れた事があると思います。

ものすごく内容の濃いものなので、非常に簡単に説明すると、プロテスタントのカルバン派の思想が資本主義の発展を生んだというものです。

天職に勤勉に励み、その「結果として」利潤を得るのであれば、その利潤は、安くて良質な商品やサービスを人々に提供したという「隣人愛」の実践の結果であり、その労働が神の御心に適っている証であり、救済を確信させる証である。このようにして、皮肉なことに、最も金儲けに否定的な禁欲的な宗教が、金儲けを積極的に肯定する論理と近代資本主義を生み出したという考え方です。

さらに大雑把に言うと、勤勉と倹約によって資本の蓄積が生み出され、それが資本主義を生んだと。マルクスも資本の蓄積が資本主義を生んだという点では同じです。ですから、ほとんどの右派も左派も勤勉と倹約が経済を成長させると思い込んでしまうのですね。

歴史的に正しくないと思います。カルバンジュネーブで独裁政治をやった事があります。プロ倫の考え方が正しいならば、この時代のジュネーブは高度経済成長を遂げているはずです。そんな歴史的事実はありません。

しかし、この考え方は日本の学会では疑う余地がないくらいの定説になっています。私はこれが日本人にかなりの悪影響を与えていると考えています。日本人の多くは勤勉と倹約が素晴らしいものだと思い込んでいます。

私は、逆に怠惰と浪費こそが経済を発展させるものだと思っています。消費こそが経済を発展させるものです。基本的に消費や需要が高まれば、設備投資を行った方が儲かるので放っておいても生産者はそれに対応して、設備投資つまり資本の蓄積を行うものだと思います。

多くの人は、「供給が需要を生み出す」ものだと思い込んでしまいまいます。「需要が供給を生み出す」が正解なのです。「供給が需要を生み出す」が正解の時代というのは、例えば大東亜戦争で生産設備がほとんど破壊された戦後直後とか極めて例外的な時代のみなのです。