愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

自民党の政治力学と財政政策について

“トランプ効果”に頼らず機動的な対応

実際は緊縮型予算

 今年の景気や株価を左右する鍵はズバリ言って、財政の機動的な対応である。“トランプ効果”の追い風は吹き続けるとばかり楽観はしていられない。

 安倍晋三政権が昨年末にまとめた新年度政府予算案について、日経新聞などは拡張型だと批判しているが、実際は逆だ。2次、3次補正を合わせた2016年度予算に比べ、5兆円弱の緊縮型になっている。トランプ効果が薄れると景気は危うい。

 米国では金利高、ドル高を懸念する見方が徐々に広がり始めている。著名投資家のジム・ロジャース氏は年内に米株価は8割下がるとみている。投機相場の先行きは不透明なのだ。

 それでも、トランプ政策には確かな基盤がある。底堅い実体景気に加え、時代に適合した見識がある。それは、デフレ圧力や低金利の下での財政支出拡大を肯定するプリンストン大学のC・シムズ教授らの新財政理論で、「全米の経済学者が相次いで移ってきている」(浜田宏一エール大学名誉教授)。米共和党正統派の緊縮財政・財政均衡至上主義が財政赤字にこだわらないトランプ政策にとってかわるのは、決して政治的な気まぐれではない。

 マイナス金利の日本ではシムズ理論は特に当てはまる。マイナス金利で家計の金利所得はゼロ、銀行はお金を貸さない。消費税増税後の需要低迷から企業は設備投資や賃上げに慎重で、利益をため込む。ならば、政府が超低金利を活用して国債を発行し、財政支出を拡大していくというのがスジというものだ。

株高が収支改善要因

 5年目に入ったアベノミクスは当初こそ、財政支出拡大に踏み切ったが、消費税増税に踏み切った2014年度は10兆円規模の緊縮財政に転じ、結果はゼロ成長、デフレ経済、税収減への舞い戻りだ。昨年秋の大型補正の結果、1兆円余り財政拡張したが、前記の通り17年度当初予算は従来の緊縮策の域を出ない。

 安倍政権とても「財政均衡」を求める財務官僚、メディアや与党内の圧力に抗しきれないからだろうが、グラフを見ればよい。中央政府地方自治体に公的年金、医療など社会保障基金を総合した一般政府の資金収支はアベノミクス以来、劇的に改善している。日銀の異次元金融緩和によって、円安・株高が進む。それに極めて高い相関関係がある。この資金収支は財政の健全指標であるプライマリーバランス国債関連を除く基礎的財政収支)に一致する。円安が株高の動因とすれば、株高こそは財政収支改善の主エンジンである。増税や緊縮財政はデフレ圧力をもたらし円高、株安を招くのだから、いわば財政悪化の元凶でもある。

 財政主導で成長率を引き上げ、株価を下支えすれば、財政収支にも好影響をもたらす。トランプ相場にばかり気をとられるのではなく、財政重視という米新潮流をしっかりと捉えていけば、今年の日本経済は最近になく確信に満ちるだろう。(産経新聞特別記者)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170101/mca1701010500001-n1.htm

 

(私の意見)

上記は田村秀男さんの記事です。来年度の予算は今年度に比べて5兆円程度の緊縮型になるので、私はその乗数効果を含めると10兆円以上になると思われるので、来年度に補正予算が組まれないとすれば財政のマイナス効果だけで2%以上GDPを減らす効果があります。

ある自民党議員と話をした事がありますが、自民党内でも非常に財政再建教の信者というか緊縮財政を求める議員が非常に多いのです。主要議員は石原伸晃とか小泉進次郎とかいう議員です。この人達が日本経済成長の足を引っ張っています。安倍総理自身はバーナンキFRB総裁とヘリマネについて話し合うくらいですから積極財政派だと思うのですが、反対する議員の力は自民党内でも相当な勢力なので大規模な積極財政を打ち出すのは難しいようです。

石原伸晃などは消費税増税を打ち出して選挙やるべきだと言うほどのアホですし、小泉進次郎は低所得の高齢者にたった3万円の臨時給付金を出しただけで反発しているほどです。こんな連中が総理大臣になっていたら、日本経済は確実に今よりも悪くなっていたでしょう。

愛国派とされている稲田朋美さんも消費税増税に賛成していましたから、この人も経済を理解していません。むしろ親中親韓派とされている二階俊博幹事長の方が消費税増税に反対でしたし、積極財政派ですし経済に関しては理解しています。

積極財政派と緊縮財政派の綱引きの中で積極財政を打ち出す事が出来ず、バブル崩壊以降26年間平均経済成長率1%のほぼゼロ成長しか出来ませんでした。残念ながらよっぽど政治力学の変化が無い限りこの状況は続きそうです。