消費者の欲望の限界と経済成長について
この統計を見てもらいたい。いわゆる高度経済成長期から安定成長期からそしてバブル崩壊後の低成長期と時代が進むにつれて経済成長率が下がって来ている。
この理由は日銀が適切な金融緩和政策、政府が適切な財政出動を行なって事なかったからである事は確かである。
しかし私は別の側面も考えている。時代が進み、経済成長が進むにつれて消費者が満足してしまいなかなか需要が増えて行かなくてなってしまった事も理由であると考える。経済学の前提では消費者の欲望は無限という事であるが、どうもこの仮説は間違っているようである。
多くの人は経済成長させるためには供給力を増やす事だと思い込んでしまっている。しかし経済ニュースを少しでも見ていれば生産が追いつかなくて困っている話などほとんど聞いたことがない。逆に物が売れなくて困っているニュースばかりである。にもかかわらず人々の多くが、そして政府の考え方も供給力を増やす事が経済を成長させる事だと思ってしまうのである。
ではどのように需要を増やしたら良いのだろうか。まずは日本の防衛費である。先進国の常識では、GDPの2%程度が防衛費の平均的な数値である。しかし日本の防衛費はGDPの1%程度である。つまり先進国の常識程度のGDPの2%程度に増やせば、需要が増え、GDPは1%増加するのである。
その他30代~40代で貯蓄ゼロのその日暮らしをしている世帯が23%もいるそうである。逆に言えば、この世代の低所得低貯蓄層にお金を配ればほとんどが消費に回るという事である。20代の貯蓄はもっと少ないであろうからそこに配るのもいい。
ですから上手くやればまだまだ経済を成長させる事はできるのである。