今、話題の実質賃金の話
今回は今上念司さんが議論を巻き起こした事で話題になっている実質賃金の話をしたいと思います。
結論から言うとこれについては私は上念司さんが正しいと言う考えです。
まず労働者が2人しかいない国を想定して下さい。
不景気の状況です。1人は公務員か一流企業の社員で雇用が守られており、年収800万円程度の収入を得ていたとします。
もう1人は失業者で収入はゼロです。そして物価上昇率は−1%と仮定します。
そして賃金上昇率は0%とします。その場合、実質賃金は808万円で1%の上昇です。
800÷(99÷100)=808万円
次に景気が良くなりますが、公務員か一流企業の社員は1%賃金が上がって808万円になったとします。もう1人の失業者は景気が良くなり仕事につけましたが、最初はそれほどいい仕事につけませんから年収200万円とします。そして物価上昇率は1%と仮定します。
(808+200)÷2÷(101÷100)=約499万円となります。
実質賃金は499÷800=約0.62なので、 実質賃金は38%の下落です。
これは分かりやすくするための極端な例ですが、こう考えると分かりやすいでしょう。
だからと言って私はこの程度の景気状況で満足していると言うわけではありません。何度も言うように日本は膨大なデフレギャップと対外純資産を抱えていますからもっともっと内需拡大を行なって更なる景気の向上を行っていかなければなりません。