愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

政治や経済を動かすのは、利権ではなく、思想である。

イデオロギーの持つ影響力について、ジョン・メイナード・ケインズが名言を残しています。

「経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられているよりもはるかに強力である。事実、世界を支配するものはそれ以外にはないのである。どのような知的影響とも無縁であるとみずから信じている実際家たちも、過去のある経済学者の奴隷であるのが普通である。権力の座にあって天声を聞くと称する狂人たちも、数年前のある三文学者から彼らの気違いじみた考えを引き出しているのである。私は、既得権益の力は思想の漸次的な浸透に比べて著しく誇張されていると思う。もちろん、思想の浸透はただちにではなく、ある時間をおいた後に行われるものである。なぜなら、経済哲学および政治哲学の分野では、25歳ないし30歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くはなく、したがって官僚や政治家やさらには煽動家でさえも、現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではないからである。しかし、遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ危険なものは、既得権益ではなくて思想である。」(出典:『ケインズ全集7 雇用・利子および貨幣の一般理論』 訳者:塩野谷祐一 東洋経済新報社 P384)

(私の意見)---------------------------
我々は政治や経済は利権が動かしていると思ってしまう事が圧倒的に多いと思う。しかし、ケインズは利権よりもはるかに思想の方が政治や経済を強く動かしているものであると論じている。

一例を挙げてみよう。戦後日本では、「憲法9条教」というカルト宗教が大流行しました。いわゆる日本が非武装化すれば、日本をどこも侵略してくる国などなく平和が守られるというキチガイカルト宗教です。もちろん日本が非武装化される事はありませんでした。しかしこのカルト宗教の流行の影響で日本の防衛力の整備に極めて障害を与えた事は事実であります。最近ではこのカルト宗教の洗脳からかなり日本人が解けてきましたから、防衛力の整備が積極的に出来るようになったのです。

もう一つ例をあげましょう。日本では40年くらい前から「財政再建教」というカルト宗教がやはり流行しました。この影響で日本はロクな財政出動が出来なくなりました。そして、消費税という大型間接税が導入される事になってしまい、その後何度も消費税の増税が行われる事になってしまいました。

デフレ下においては、増税や歳出削減ではなく、日銀の国債保有通貨発行権の行使によって財源を調達するのが最も正しい政策であります。そうすれば経済成長、デフレからの脱却という事が出来るのです。

しかし現在でも多くの国会議員や国民は「この財源がない」「財政再建をしなければならない」というカルト的な思い込みによってロクな財政出動が出来ないでいるのです。

こう考えると、ケインズの言うように政治や経済を動かしているのは、正しいにしても間違っているにしても、人々の思想、思い込み、価値観であると言う事が分かると思います。

私は人々を僭越ながら正しい考え方に導こうと考えているのですが、人の固定観念を変える事こそ最も難しい事であります。私がこのブログを書いているのも少しでも人々が正しい考え方になるように願っているからであります。