江戸時代の経済について(中央銀行廃止論)
私は、中央銀行を廃止するべきだと考えています。中央銀行に通貨発行権を持たせていて、それを政府が行使出来ないでいる事が、デフレの促進・経済成長の阻害・失業の増大という悲劇を引き起こしていると考えています。ですから政府が責任を持ってデフレとインフレのバランスを考えて、通貨発行権を行使しする制度にするべきだと考えています。
こういう意見を言うと、「政府が自由に通貨を発行できるようになったら、ハイパーインフレが起こる」という反論が帰ってきます。政府に通貨発行権を与えたら、お金を使いまくってしまうというのです。本当にそうなるのでしょうか。
では江戸時代について考えてみましょう。江戸時代はもちろん独立した中央銀行などありませんから、貨幣改鋳という方法で財源が不足したら江戸幕府が通貨発行権を行使していました。
江戸時代の商品の中心は米でしたので、米と金の比率を考えれば、インフレかどうかが分かります。そのグラフを御覧ください。
ほぼ、江戸時代全体を通じて、1両=1石で安定している事がわかります。確かに、天保の大飢饉の時には上がっていますが、これは米の生産量が天候によって急減したわけですから、致し方のない事です。また幕末においても上がっていますが、これは日米和親条約で締結された貨幣の交換比率が原因で、日本の金が大量に海外に流出するという問題が発生し、それに対応するために貨幣改鋳を行ったものでこれも致し方のない事です。
つまり政府が通貨発行権を持っていたとしても、それを濫用して過度な貨幣増発を行う事はなかったのです。