愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生や小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

賃金が上がらない現状において

「人手不足でも賃金伸びず」が世界的な症候群に

 失業率が低下しているが賃金の上昇が遅く、物価の上昇ペースも緩やか、という現象が日本だけでなく世界的に起きている。

 欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏の景気回復に自信を深めているが、賃金と物価が相互に影響を及ぼして上昇していく動きは、以前よりも弱いと首をかしげている。このため、6月8日の記者会見でマリオ・ドラギECB総裁は、早期の金融政策正常化を市場が織り込まないようにけん制した。

 一方、英国のインフレ率はイングランド銀行(BOE)の目標値2%を上回っている。だが、これは欧州連合(EU)離脱に関連するポンド下落による輸入価格上昇の影響が大きい。6月20日にマーク・カーニーBOE総裁は、賃金の伸びが弱いため、当面は政策金利を上げずに様子を見ると述べた。

 また、米国の失業率は17年ぶりの低水準を示している。インフレの過熱を予防するため、米連邦準備制度理事会FRB)は6月15日に今年2回目となる利上げを決定。さらに、FRB資産の縮小に関する基本方針も公表した。

 年内にもう1回の利上げと、早ければ9月にも資産縮小を開始しそうなニュアンスを、ジャネット・イエレンFRB議長は記者会見で醸し出していた。しかし、利上げ決定当日の朝に発表された5月の消費者物価指数(CPI)は相当弱かった。食品とエネルギーを除いたCPIの前年比は、1.7%に下落(1月時点は2.3%)。そこから家賃関連を除いたCPIは、わずか0.6%しか上がっていない。

 FRB幹部は、最近のインフレ率低下は、携帯電話料金や処方箋薬品の価格下落などの一時的要因によるもので、いずれ人手不足が賃金と物価を押し上げるという強気の見方を曲げない。しかし、米国の市場参加者の多くは「賃金や物価の状況を見極める方がいいのではないか」と心配している。

 景気拡大が続けば、基本的には人手不足が拡大して賃金は上昇するはずだ。ただし、近年のデジタルイノベーションの動きは、企業に省力化を促しつつ、賃金上昇を緩やかにしている可能性がある。米国の場合、4月時点の民間部門における平均時給の前年比伸び率は、3.2%だった。しかし、デパートなどの一般商店の伸び率は1.1%でしかない。米アマゾン・ドット・コムなどのインターネット通販に攻め込まれている小売業には賃上げの余裕がなく、人員削減も顕著だ。

 金融業界の雇用にもITの影響が及んできた。昨年、中国の国有4大銀行は社員数を1.8万人削減。スマートフォンによる資金決済の急速な普及で、営業店の仕事量が減少したことが主因とされる(中国紙「中国日報」)。日本の三菱UFJフィナンシャル・グループも、今後10年程度で社員の約7%に相当する1万人の削減を検討しているという(米通信社ブルームバーグ)。

 米シティバンクが昨年発表したレポートでも、銀行業界の正社員数は金融危機前のピーク時から2025年までに米国で40%、欧州で45%も減ると予測されている。

 現在は人手不足に悩みつつも、先行きはデジタルイノベーションの影響で人員カットが必要になるのではないかと警戒する日本企業は、少なからずあるだろう。非正規労働者や新卒採用者は別にして、既存の正社員(特にバブル期採用の中年世代)の顕著な賃金上昇は望みにくそうだ。人手不足の割に全体の賃上げペースは緩やかという現象はしばらく続きそうだ。

 (東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170630-00133075-diamond-bus_all

(私の意見)--------------------------

この記事によれば、要は雇用状況が良いのに賃金が上がらない理由はITや人工知能やロボットなどの技術革新が原因ではないかと言っているのです。私も大体同意見ですが、現在は実は本当の意味で人手不足ではない状況であると考えています。

以前にも言いましたが、本当に人手不足であれば高度経済成長の時のように毎年10%以上の賃金上昇が起こっていないとおかしいのです。本当の意味での人手不足ではないとかんがえます。

また、失業率は低く、有効求人倍率は高いですが、以前に比べて非正規雇用などが増加して雇用が流動化しています。つまりいつでも首が切れる労働者が増えた結果、労働者に比べて経営者の立場が強くなりました。労働組合も弱体化していますし、連合も経団連と談合して賃上げ運動を全くやりません。組合員は何のために組合費を払っているのでしょう。これもなかなか賃金が上がらなくなった原因の一つではないかと考えています。

さらに記事のように、IT・ロボット・人工知能が色々な職場に入ってきていますし、これからはもっと入ってくることは避けられません。労働力の代替はロボットや人工知能が可能となっているのです。なかなか賃金が上がるはずもありません。

やはり私は国民全員に定額給付金ベーシックインカムの様な仕事をしなくても生活が出来る金銭給付を行うべきであると考えます。国民が働かなくても生活できる保証があれば、労働者に対して強くなってしまった経営者の立場に、対抗できる様になると思います。