愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

未来予測は天才と呼ばれている人でも外すものである

今となっては考えにくい話ですが、スティーブ・ジョブズ氏は当初、Apple独自のスマートフォンをリリースすることに前向きではありませんでした。当時Appleの事業の中核であった、iPodの売れ行きが鈍ることを恐れていたのです。
オタク以外にはウケないと考えていたジョブズ

iPhone誕生にまつわる物語を明かしているのは、6月20日に発売予定のブライアン・マーチャント氏による「The One Device: The Secret History of the iPhone(たった1つのデバイスiPhoneの知られざる歴史)」という書籍です。

スマートフォン業界はiPhoneを中心に周っていると言っても過言ではないほど、爆発的な売れ行きをみせている同端末ですが、この書籍によると、スティーブ・ジョブズ氏は当初、Apple製のスマートフォンがここまで売れると思っていなかったようです。

「彼はスマートフォンが、我々が呼んでいたところの『ポケットプロテクターたち(=オタク)』以外に行き渡るとは考えていなかった」と語るのはAppleの元幹部です。またジョブズ氏は、iPodの売り上げを自社開発のスマートフォンが潰しかねないことについても恐れていたそうです。「iPodの父」として知られるトニー・ファデル氏も「当時の我々の考えはこうだった――iPodを侵食することはできない。なぜならiPodは売れているからだ」と述懐します。

さらに当時は、VerizonやAT&Tといったキャリアが絶対的な発言権を持っており、「携帯はこうでなくちゃならない」という彼らの意見に、メーカー側は粛々と従わざるを得ない状況でした。事実、「エンドユーザーにたどり着くことが難しいのが、スマートフォンの問題だ」と、2005年にスティーブ・ジョブズ氏も認めています。
Motorolaとの業務提携という苦肉の策

そこでAppleが考えだしたのが、Motorolaと業務提携することで、iTunesを搭載した携帯端末をMotorolaに販売させるというものでした。こうすることで、iPodへの脅威を削ぐことができる、と考えたのです。
http://iphone-mania.jp/wp-content/uploads/2017/06/rokr-e1.jpg

しかし最終的に、AppleMotorolaとの提携を止め、2007年に独自スマートフォンであるiPhoneをリリースします。確かにジョブズ氏の見立てどおり、iPhoneの売れ行きと反比例するように、iPodは衰退していきましたが、iPodの売り上げ減によって失った分以上を、iPhoneで取り返したことは言うまでもありません。
iPhoneで家庭が犠牲になった社員が多数

ブライアン・マーチャント氏の書籍については、先述したトニー・ファデル氏や、Appleの副社長を務めるフィリップ・シラー氏などから、記述が正確でないという指摘も受けていますが、Appleの舞台裏をうかがい知ることができるだけでもワクワクさせられますね。

なお、この他にも書籍では、社運を賭けたプロジェクトであるiPhoneの開発に心血を注ぐがあまり、家庭が犠牲となり、離婚する羽目になった社員が複数いたことなども明かされています。
http://iphone-mania.jp/news-172246/

(私の意見)-----------------------------
世の中の多くの人達はお金儲けに成功した人を天才だと思ってしまいます。しかし当初はスティーブン・ジョブズのようなスマホで大成功した人物でさえ、スマホがあれだけ売れるとは思っていなかったようです。

逆に新しい技術というのは、技術者が素晴らしいと思っていても消費者から全く受け入れられない場合というのも結構あります。自由経済というのは、結局やってみないと分からないものなのです。

私も色々と未来予測を偉そうにしていますが、新しい製品が出ても、消費者に全く受け入れられない場合もあれば、逆に大売れしてしまう場合もあります。

そして、スマホは我々の生活を全く違うものに変えてしまいました。電車の中で新聞や雑誌を読んでいる人はほとんど見かけなくなり、みんなスマホタブレットをいじくっています。政治や経済も全く違うものに変えてしまいました。ですから未来予測というのは本当に難しいものだということが分かります。

ただここで技術の進歩が止まる事はあり得ない事は事実だと思います。ですから、これからも様々な新商品が出続け、そしてそれが世の中をどの様に変えるかは予測が難しいものです。