愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

人口減を案ずるより、ITやAIに大規模投資を考えよ(小野論文より)

人口減を案ずるより、ITやAIに大規模投資を考えよ(No.244)

厚生労働省は4月10日、将来推計人口を発表した。それによると50年後の2065年には日本の人口は8808万人に減少し、働き手は4割減少するのだそうだ。マスコミが大きく報じるから、さぞ大変な事が起きようとしていると思いがちだ。2015年から50年間で日本の人口は1.27億人から0.88億人に減少するということで減少幅は31%だ。一方働き手ということになっている15~64歳の人口割合はこの間、60.8%から51.4%に減少するから僅か9.4%PTの減少にすぎない。

2065年に8808万人にまで減少するがこれは60年前つまり1955年のレベル(8942万人)である。この60年間で実質GDPは47兆円から516兆円まで、つまり10倍以上に拡大した。この間の人口増加率は42%だがGDP増加率は約1000%であり、GDPの増加率は人口増加率の約24倍であり人口増加の影響はほとんど無視できると言えるくらいだ。GDPの増加は主に機械化、IT化によってもたらされ当時より現代ははるかに豊かになった。技術進歩は大きく加速しており今後50年間では第4次産業革命とよばれる産業革命が進行中である。これからの50年間ではるかに豊かになるのは間違いないが、GDPの定義は変わる可能性がある。

野村総合研究所のレポートによれば15~20年以内に日本で働いている人の49%の仕事が人工知能(AI)やロボットで代替可能になるとのこと。単純に考えればAIやロボットが仕事に協力するようになるから働き手は約2倍になる可能性がある。これが15~20年以内にすでに起きるのである。

コンピュータ技術が、今のペースで発達し続けるとある地点で、地球全人類の知能を超える、究極の人工知能が誕生する。これがシンギュラリティーと呼ばれ、これが起きるのが2045年と言われている。そのAIが自分以上に優秀なAIを作り、更にそれ以上のAIを作るというように、AIの知能が果てしなく優秀になっていくからテクノロジーの進歩は果てしなく速くなる。つまり各種事務員、受付係、レジ係、コールセンター、運転手、通訳などの仕事は容易にAIでできるようになる。

このように、ITやAIは人間の替わりに働いてくれる。例えばテスラモーターズの自動運転車は2017年中にロサンジェルスからニューヨークまで自動運転で走破する計画である。このように技術進歩があっても、その現場での利用を妨げるものがいくつかある。
①自動運転車は「運転手なしの車は公道を走れない」という規則
②運転手のいない車は怖いという先入観
③職を奪われることになる労働者による反対運動

このように克服しなければならぬ課題は山積するとはいえ導入されれば、メリットは極めて大きい。運転手なしのタクシーは料金が10分の1以下だし、事故率も10分の1になる。車同士が電子的に連結されれば渋滞は著しく緩和され、誰もが車の保有を止め共有するなら駐車場がいらなくなり好きな所で乗り捨て可能となる。各種事務員、受付係、レジ係、コールセンター、通訳など多くの職業はAI,ロボットに置きかわる。人口減少で働き手が足りなくなるどころか、人間に残された職場が無くなってしまい、お金さえうまく循環する仕組みをつくれば『労働はロボットに、人間は貴族に』という世界が出現する。大切なのはAIに政府が巨額の投資をすることだ。

http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/index.html

 

(私の意見)

小野盛司先生のブログからの引用です。私も小野先生と同様に技術は既にかなりの段階まで出来ているが、人々の新しい物に対する偏見とか、雇用が奪われるとかでせっかく素晴らしい技術が出来ているのになかなか実用化されていないというのが実態だと思います。何度も同じ事を言うのですが、中央銀行がお金を発行してそれを財源に、国民に失業しても安心して生活できるくらいのお金を支給してしまえばいいいと思います。そうすれば、わざわざ時代遅れの仕事にしがみつかなくても済みます。