愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

私なりのデフレギャップの推計

自分なりにデフレギャップを計測してみたい。供給力とは資本設備、労働力人口の伸び率と技術進歩率で判断出来る。
私は経済の供給力にとって労働力人口の伸びはほとんど関係無いと考えている。現在の日本において労働集約的、つまり人手がかかる産業というのはどんどん減っているし、これからも減っていくと考えている。ロボットやコンピューター、機械が日進月歩であり人の仕事を次々と奪っているからだ。

では、資本設備について考えてみたい。内閣府の統計で民間企業資本ストックという統計がある。1980年までさかのぼれるので調べて、2011年の数値と比較してみた。

民間企業資本ストック 1980年 ⇨2014年
(供給力) 377兆円⇨ 1307兆円 3.5倍


http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/minkan/files/tables/h17/h26y_stock_all.xls 出典

そして同時期の実質GDPの伸びも調べた。

実質GDP. 270兆円⇨ 532兆円 1.9倍
(需要)

何と供給力・資本設備は同時期に3.5倍のスピードで増加しているのに、需要・実質GDPは1.9倍にしか増えていないのである。つまりおよそ供給力は需要の伸びの倍のスピードで伸びているのである。

さらにこれに技術進歩率というものを加味しなければならない。
例えば、1980年のコンピューターの性能と2011年のコンピューターの性能は全く違う。ムーアの法則によれば、チップに搭載するトランジスタの数が約二年ごとに倍増するというものである。二○○四年の四月号の日経パソコンには、森本の法則が載っていた。それはCPUの動作周波数(コンピュータの動作速度)は約二○ヶ月で二倍になり、HDD容量(コンピュータの記憶容量)は約一三ヶ月
で二倍になるというものである。我々も同じ性能のパソコンが2年経つと半額で買えるという事を常に経験している。ざっと二年でコンピューターの性能が2倍になるとすると、30年で2の15乗という事になる。32768倍の性能になるという事である。
もちろん資本設備はコンピューターだけではない。建物とか機械とかロボットとか他のものも含まれるからそこまでのスピードでは進歩しない。しかし今の資本設備でコンピューターが搭載されない物を探した方が珍しいだろう。だから、そこまでのスピードではなくとも相当なスピードで技術が進歩している事は確かである。
資本設備の伸びと技術進歩率のスピードを考えると、もはやどんなに需要を伸ばしても簡単にはインフレは起こらないようなデフレギャップが存在するものと私は推定するのである。