愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

財政出動のGDPに対する影響について

GDPとは需要の積み上げです。遣われたお金の額の積み上げです。
GDP=消費+民間投資(設備投資+住宅投資)+政府支出(政府最終消費支出+公的固定資本形成)+純輸出(輸出−輸入)

消費、民間投資、政府支出、純輸出の項目を増やす事がGDPを増やす事なのです。

本日は財政出動GDPに与える影響について考えます。

財政出動を行い、政府がお金を遣えば政府支出の項目が増加します。
よく政府支出の金額ではなく、中身が重要であるという意見を聞きます。しかし、マクロ経済という観点から言えば、はっきり言って何にお金を遣うかは関係ないのです。社会保障でも防衛費でも公共事業費でも支出する金額を増やせば政府支出は増加し、GDPは増加します。批判が強い、公務員の給与を引き上げても、GDPは増加します。

政府がお金を使えば、どこかの企業の売上げになり、誰かの収入になるのです。そしてその収入が国民の消費支出を増加させます。公共事業だったら、本当に穴を掘って、埋めるだけの公共事業でもいいのです。あるいは、政治家が使う公用車を高級車にしてもいいのです。あるいは、官僚の官官接待費に遣ってもいいのです。

しかし、国民が不況で苦しんでいる時にそんなものに金を遣ったら大非難を浴びますからなかなかそんな事は出来ないですよね。そこが難しいところなのですよね。マクロ経済という観点から言えばもっとお金を無駄遣いしなければならないが、民主主義の政府が不況下にそんな事をする事は国民から非難を浴びますので、政治的に難しい。

では、政府がお金を遣うという方法ではなく、減税という方法はどうでしょうか。もちろん私はこの方法も賛成です。消費税や所得税を減税すれば、消費支出は増加しますし、法人税を減税すれば、企業の設備投資は増加すると思います。(ただし法人税減税が設備投資を増加させるかについては、法人税の構造上及びこれだけ企業の内部留保が多い現状から考えると、かなり少ないと思います。)

では、政府が直接お金を遣うのと、減税をするか 、あるいは国民にお金を給付して遣ってもらうのではどちらが経済効果が高いのでしょうか。これは公務員試験の経済学の問題にも出てくる論点です。政府支出乗数と減税乗数では、どちらが高いのでしょうか。なんとなく国民一般の感覚から言うと、政府が直接お金を遣うより、国民にお金を渡して遣った方が効果が高い感じがします。

しかし結論を言えば、政府支出乗数の方が高いのです。政府が1兆円支出を増やした場合には、確実に1兆円需要が増え、それで収入が増えた人が需要増やし、それで収入を増やした人が需要を増やすという形で増えていきます。これを乗数効果と言います。減税乗数の場合には、必ず得たお金の一部を貯蓄に回してしまいますので、そこから乗数が始まりますので、減税乗数の方が効果が少なくなります。

政府がお金を遣う金額を増やせば確実にGDPは増え、経済は成長します。これは疑う余地の無い事実なのですが、政治的に難しいというのが現実です。