愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

金融緩和のGDPに対する影響について

GDPとは需要の積み上げです。遣われたお金の額の積み上げです。
GDP=消費+民間投資(設備投資+住宅投資)+政府支出(政府最終消費支出+公的固定資本形成)+純輸出(輸出−輸入)

消費、民間投資、政府支出、純輸出の項目を増やす事がGDPを増やす事なのです。

本日は、金融緩和という政策がどのようにGDPに作用するのか考えてみたいと思います。

金融緩和というの通常、公定歩合を下げたり、買いオペ(中央銀行国債を購入すること)です。それと最近の金融政策では、日銀は国債だけでなくETF日経平均等の指数連動型投資信託)やREIT不動産投資信託)も購入しています。簡単に言えば、日銀が株式や不動産も購入しているという事です。

金融緩和は、市場に資金を供給する事になりますので、金利が下がります。金利が下がると、企業はお金を借りて、商売を広げるメリットが大きくなりますので設備投資が増加します。また家計は住宅ローンを組んで家を購入すると事にメリットが大きくなりますので住宅投資が増加します。上記の民間投資が増加します。

ちなみに、消費に対する影響ですが、消費者がクレジットカードで借りて消費したり、自動車ローンを組んで自動車を購入する事が一般的ではない日本では、金利が下がる事で消費の増加に影響する事はほとんどないと思います。

また自国の金利が低下すると、他国との金利差で自国の通貨が下落します。例えば、日本の金利が下落すると、日本で資金を調達して、他国に投資した方が有利となりますので、外国に資金が流出しますので円安となります。自国通貨が下落すると、輸出が有利になり、輸入が不利となりますので、上記の純輸出が増加します。

最近の金融政策である日銀のETFREITの購入についても考えてみたいと思います。企業や家計は株式や不動産などの資産を保有しています。これらの資産価値が上昇すれば、資産効果により家計や企業は消費や投資を増やすと考えられます。日銀が購入を増やせば、これらの資産価格は上昇します。

資産効果とは、自分が保有している土地の価格が上がったとします。すると何の変化もないのですが、お金持ちになった気分になります。それにより消費が増えるというものです。バブル経済の頃に地価が大幅に上昇しました。その影響で消費も増えたようです。また同様に資産価値の上昇は企業のバランスシートも改善しますので、企業の設備投資など民間投資も上昇させるものと考えられます。

ざっと、金融緩和のGDPに対する影響を考えてみました。日銀は現在、国債を80兆円、ETFを6兆円、REITを900億円購入しています。私は金融緩和はある程度効いていると考えています。金融緩和をしなかったらもっと株価や不動産下がっていたであろうし、また円高で日本経済を苦しめていたであろうと考えます。

ただし効きが弱い事も事実だと思います。効きが弱いから止めるのではなく、もっと国債ETFREITの購入額をもっと大幅に増やさなければならないという事です。さらに国債だけでなく、地方債や政府保証債や財投債も購入すべきだと思います。あるいは以前にも述べました米国債を大量に購入してもいいと思います。現状の日銀の制度の権限の中ではこういった方法を進めていくしかないと思います。

しかし、こんな政策をやるくらいだったら、日銀にお金を発行させて国民全員にお金を配るというベーシックインカムという政策が一番なのです。どうせお金を発行するなら、国民全員にプレゼントした方が平等なのです。現状の制度を前提とするとなかなか難しいですが。