愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

供給よりも需要を増やす方がはるかに難しい

多くの人達は経済を成長させるためには生産設備とか労働力とかの供給力を増やさなければならないと思ってしまうようです。

私は逆に消費だとかの需要が増えないから経済が成長しないのだと思っています。需要が増えれば、企業は設備投資を行なって自然と供給力を増やすと考えます。ですからまず需要を増やす事を最優先に考えなければならないとおもいます。しかし、実は需要を増やす方が供給を増やすよりはるかに難しいと考えています。

昭和20年に日本は大東亜戦争に敗戦しました。日本中が空襲であらゆる生産設備が破壊されました。確かに敗戦直後の時期は生産力が不足していました。生産力を増やす事が急務でした。

しかし、その生産力不足の時代はせいぜい3年〜4年程度でした。昭和24年2月にアメリカからGHQの経済顧問としてジョセフ・ドッジという人物が訪れ、この人が財政金融の引き締め政策をやってデフレに陥りました。いわゆるドッジ・ラインです。この影響で日経平均は最安値を更新しました。そして昭和25年に朝鮮戦争が始まりました。この戦時需要のおかげで日本は復興するわけです。

要は、生産力のなど大東亜戦争であれだけ破壊されても、3〜4年という短い期間であっという間に復活してしまうのです。その後はむしろ需要の増加が経済成長を促進しました。つまり供給不足の問題など需要が増えれば自然と後からついてくる状況になったわけです。

一方で、現在の日本はバブル崩壊以降26年間ずっと、経済成長率が平均1%程度のデフレ不況が続いています。需要さえ増やせば、経済成長が出来る状態であるにもかかわらず、財政出動をさせようとすると、それに対して必ず「税金の無駄遣い」だとか「財政出動は効果がない」だとか「国債の残高が増えている」とかいう反対論が出てきて、必ず妨害されてしまいます。その結果、26年間ろくに経済成長が出来なくなってしまったのです。

アメリカでも1929年に株式が大暴落を起こし、いわゆる世界大恐慌に陥ります。この時、歴史教科書にはニューディール政策でアメリカで経済は復活したと書かれていますが、実は財政出動に反対する意見が大きく、復活は出来なかったのです。ようやく1939年に1929年の経済水準を回復します。

つまり、その間の10年間はGDPは1929年よりも低い水準だったのです。1939年にヨーロッパで戦争が発生してその戦時需要でようやく戻ったのです。その後、1941年に大東亜戦争戦争が勃発します。アメリカ経済は大東亜戦争の戦時需要によって高度経済成長を迎えます。つまり、大戦争が発生して国家の危機に陥るくらいでないと、必ず財政出動に反対する意見が出てきてなかなか大規模な財政出動を行うという決断が出来ないのです。大東亜戦争の戦時需要でアメリカ国民の生活は戦争が始まる前よりもはるかに豊かになりました。

この歴史を考えると、需要を増やす事は供給を増やす事よりはるかに難しいようです。