愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

財政出動も金融緩和も両方とも必要

財政出動派と金融緩和派(リフレ派)の対立というのがあります。

ちなみにリフレいわゆるリフレーションの本来の意味は金融緩和だけでなく財政出動も同時に行う事を意味する言葉だったはずなのですけど、何故か最近の議論を聞いているとリフレ派というのは、金融緩和派という意味になってしまった様です。

私は、財政出動派と金融緩和派の対立というのはかなり不毛な議論だと考えています。

これまでのブログを読んでいただければ分かると思いますが、私は財政出動も金融緩和も両方必要という考えです。

いわゆる財政出動派は三橋貴明さんや藤井聡内閣参与などで、金融緩和派は上念司さんや浜田宏一内閣参与などです。(両者ともたくさんおりますが、挙げたらキリがないので省略します)

私の師である丹羽春喜先生は、
 「大学で近代経済学を学んだことのある人なら、必ず一度は耳にしたことのあるケインズ経済学の古典的名著、ラーナーの『雇用の経済学』の第一章を思い出してください。そこには、
 〈景気振興のための政府支出のためのカネは、どこからくるのか? それは印刷機からくるべきなのだ!(中略)租税や 国債からくるのではない。租税や国債は、ただ総支出(総需要)を調節するための手段でしかないのだ〉
 と書いてあったはずです。」
http://www.yuuai.sakura.ne.jp/home3/antiroths.html
と言っています。

要は、景気対策のための財政出動は当然必要です。さらに、その財源は政府紙幣の発行で行われるのがもっとも優れた手段であり、これは日銀に国債を保有させて財源を調達するのと同じ事です。

財政出動だけでも、金融緩和だけでも片手落ちなのです。

2013年以来、アベノミクスが行われましたが、財政出動も金融緩和も両方行う予定でしたが、金融緩和については大規模に行われたものの、財政出動は2013年度こそ行われたものの、その後は消費税の増税等(財政支出の減らされたり、社会保険料なども毎年上がっています)により縮小です。ですから財政出動は行われなかったに等しい状況です。

財政出動派の三橋貴明氏は金融緩和派の岩田規久男日銀副総裁に対して、「インフレ2%達成出来なかったのだから、責任取って、副総裁を辞職せよ。」とまで言っていますが、それは言い過ぎだと思います。

日銀の黒田総裁や岩田副総裁はかなり頑張ったと思います。もし、日銀の金融緩和が無くて、民主党時代の1ドル70円代という超円高状態があと何年か続いていたら、日本の主要企業は産業競争力を失って、外資の手に落ちていたでしょう。

アベノミクスで良い経済指標もかなり出ています。
失業率は1995年以来の低水準ですし、有効求人倍率は1991年以来の高水準です。もちろん、過去のブログで述べた通り、非正規雇用が増えているなどの問題もあります。しかしながら、金融緩和を行なっていなかったらもっとひどい状態だったでしょう。
あるいは、倒産件数もバブル期以来の低水準です。
http://www.tsr-net.co.jp/news/status/half/2016_1st_02.html
企業収益や株価も民主党時代に比べればかなり良いです。
金融緩和はかなり効果を上げているのは事実なのです。

ただ私は財政出動も大規模に行なっていれば、もっと経済は良くなっていたと考えます。私は、財政出動派と金融緩和派は対立するのではなく、両者が協力していくべきですし、やはり両方とも必要なのです。