愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

日銀は本気になれば市場を自由にコントロールする事が出来る

現在、株式市場や債券市場で官製相場という言葉が使われているが、私はそもそも通貨発行権を持つ日本銀行は市場を自由にコントロール出来るものであると考えている。

市場の代表は、株式市場、為替市場、債券市場の3つである。中央銀行は本気になれば、これらの市場をいとも簡単にコントロール出来る。

まず、債券市場の話をしよう。現在の日銀の金融政策では国債の利回りを0%にするという政策目標を掲げている。そして現在は0%以下のマイナス金利になっている。かつて左翼系の経済学者が「日銀が国債を購入したら、国債が暴落する」と脅していたが、暴落するどころか日銀がもはや自由に金利をコントロール出来る事を証明してしまっている。日銀の資金循環統計によれば2016年6月末の時点で、日本の国債等の残高は1105兆円だか、そのうち日銀は既に398兆円(36%)を保有している。国債が暴落するどころか、債券の金利が低下してしまって、保険会社等の資金の運用が出来なくなってしまうという別の問題が生じるほどになってしまっている。

次に株式市場の話をしよう。現在の日銀の政策ではETF日経平均等の上場投資指数連動型投資信託、単純に言えば日本株を丸ごと買っていると思えばいい)を年間6兆円も購入している。平成28年10月21日現在での日本の一部上場企業の時価総額は521兆円である。では、例えば日銀が「日経平均が10万円になるまで無制限にETFを購入する」と宣言したとしよう。日銀は発券銀行ですから無制限にETFを買う事が出来るのである。一瞬にして日経平均を10万円にする事も可能なのである。もちろん、これをやった場合には日本株の株主に日銀がタダでお金をあげているのと同じ事である。国民全員にお金を配った方がいいに決まっているのだが、日銀の政策手段が限られている場合にはこの手段も正しいと思う。日銀の政策手段が限られている場合には6兆円どころか、60兆円くらい買ってもいいと思う。その場合には、一部上場企業のほとんどが日銀の子会社になってしまうという問題も生じるが。

次に為替市場について論じたい。私は円安の方が国益であると考えているし、以前のブログにもその様に書いた。では、日銀が「1ドル200円の水準で無制限に円売りドル買い介入を実施する」と宣言したとします。そうすると日銀は発券銀行ですから、当然一瞬にして1ドルは200円にする事が出来るのです。ただしこれをやった場合には米国政府が当然反発してきますから、外国との調整の問題が生じます。要は、外国との調整の問題は生じますが、それさえ解決できればいくらでも円安に持っていく事も可能なのです。