アジア諸国が高度経済成長をとげ、日本が経済成長出来なかった理由
為替レートの話をします。
例えば、1ドルが100円だったのが、110円になったとします。
10%の円安です。
企業が1ドルの物を国外に売って100円受け取れるところが、110円になりました。
これは国際競争力の上では10%生産性が上がったのと同じ事です。
日本企業は従業員の賃金を10%賃金を上げる余力が生まれたのと同じ事です。
もちろん、為替レートの変動ですぐに従業員の給与が変化するわけではありません。
しかし企業にとってはたった10%の為替レートの変動でこれだけ売上が違ってきてしまうのです。
逆に言えば、10%円高になったら、日本人の従業員の賃金を10%下げなければ同じ国際競争力を維持できないという事になります。
2014年時点でも日本とインドやインドネシアやベトナムとは賃金や物価の水準と比較して3倍程度の為替レートの差があるのです。3倍のハンディキャップを課せられているのです。日本人の賃金を3分の1にしないと対等な競争にならないという事です。〔ちなみにIMFの統計は差が小さく出るクセがあるので実際の差はもっと大きいと思います。〕
1995年の時は日本は村山社会党左翼政権で円高を意図的に放置しました。日本と中国は6倍の差が、日本とベトナムは実に9倍という差がついています。この年から日本の産業空洞化が始まり、日本人の雇用がアジア諸国に奪われていく事が始まったのです。
よく日本企業や日本人の努力が不足していたから、日本は国際競争に負け、日本は経済成長が成長出来なかったという妄言を言う人がいます。
努力など為替レートの力の前には無力であるという事がわかると思います。
逆に、インドやインドネシアやベトナム等が高度経済成長を遂げている理由は為替レートを安く操作しているからなのです。