愛国者のための経済ブログ

丹羽春喜先生小野盛司先生に学びました。経済を中心に論じて行きたいと思います。ヘリマネを財源ととするベーシックインカムによるデフレ脱却を目指しています。

労働力不足というデマを流す人達

深刻化する人手不足 生産性高める攻めの発想を 論説副委員長・長谷川秀行
 景気が幾分上向いてきたかと思うと、すぐに冷や水を浴びせるのが人手不足の問題である。ドライバー確保に苦労するヤマト運輸がサービスを見直したり、ファミリーレストランが24時間営業をやめたりと、人手不足にかかわるニュースが紙面をにぎわしている。需要があっても労働供給が追いつかない状況は、経済成長の「壁」となる極めてやっかいな問題だ。

 低水準の失業率や有効求人倍率の上昇が示す日本の労働環境は「完全雇用」に近い状態とされる。働く意思と能力を持ち、現行の賃金水準で就職を希望する人がほぼすべて雇用される状態のことだ。

 正社員と非正規社員の格差解消など、引き続き対応すべき課題は少なくないが、雇用が総じて回復していること自体は経済にプラスである。安倍晋三首相がアベノミクスの成果として雇用改善を真っ先に挙げるのもこのためだ。

 しかし、これに伴う人手不足は雇う側にとって深刻である。事業を強化しようにも人の確保がままならない。かつての就職氷河期で採用を減らした企業には働き盛りの人材が薄いところも多く、新たに雇用を増やせるかどうかは経営上の死活問題である。

 グラフは、日銀の企業短期経済観測調査(短観)の雇用人員判断指数である。プラスの数値は企業に人員の過剰感があることを示し、マイナスは不足感を表す。直近は、バブル期以来という極度の不足水準になっている。

 大企業より中小企業、製造業より非製造業の方が人を集めにくくなっている。やはり宿泊・飲食や運輸、建設などに不足感が強いようだ。

 背景には景気動向と人口動態という2つの要因がある。

 まずは景気だ。個人消費や設備投資に力強さはみられないものの、昨年まで大きな懸念材料だった海外経済は総じて回復しつつある。日銀短観でも、企業の景況感が2四半期連続で改善した。

 振り返れば、これほど人手不足が懸念されるようになったのは第2次安倍政権以降である。アベノミクスが比較的順調だった平成25~26年ごろ急速に不足感が強まったことはグラフからもわかる。

 当初、もっぱら心配されたのは建設業だった。震災復興という特殊事情に加えて、アベノミクスによる積極的な財政出動もあったためだ。それが景気回復と相まって労働需給を逼迫(ひっぱく)させたのである。

 ただし、景気要因だけならこれまでも堅調な時期はあった。趨勢(すうせい)的な働き手の不足は人口動態の変化という構造要因が重なっているためだ。

 安倍政権発足時には団塊の世代が大量に一線を退く「2012年問題」もあった。その後も生産年齢人口(15~64歳)は減り続けている。

 最近の女性や高齢者の労働参画が就業者数の増加に寄与している面はある。それでも景気が上向けば、すぐに働き手が足りなくなるところに日本経済の脆弱(ぜいじゃく)性がある。

 大和総研の試算では、就業者の伸びが止まれば、潜在成長率が0・14%程度押し下げられる。0%台とされる潜在成長率の低さを考えると、わずかとは言えない数字だ。

 この隘路(あいろ)を克服できなければ、政権があらゆる経済政策の前提としている高い経済成長など望むべくもない。

 そのためにも女性や高齢者の就労をさらに促すべきは当然だ。政府は、結婚や育児で家庭に入った女性の多様な働き方を後押しするよう政策を総動員する必要がある。

 構造的に人手不足が懸念される以上、労働生産性を高める取り組みも欠かせない。特にサービス業など非製造業の多くは労働集約的であり、製造業より生産性が低い。

 指摘したいのは、本格的な高齢社会ではモノよりもサービスの需要が高まるとみられることである。現役世代が住宅や自動車、家電などモノを多く消費するのに対し、高齢者は医療や福祉、旅行などの支出が多いためだ。

 人口動態を反映した産業構造の変化に対応するためにもサービス産業などの生産性向上は喫緊の課題である。IT技術などを活用し、質の高いサービスを効率よく提供できる事業モデルの確立に知恵を絞る必要がある。

 大切なのは、少ない人材でも確実に利益を高めていくことであり、やみくもに売り上げ規模の維持や拡大を追求することではないはずだ。

 本来、労働需給が逼迫すれば賃金増が加速し、消費を喚起するが、その勢いはみられない。経済の好循環を果たすためにも、必要な投資をためらわずに収益性を高め、継続的な賃上げにつなげる。人手不足をその好機とする攻めの発想が求められよう。

http://www.sankei.com/premium/news/170430/prm1704300014-n1.html

 

(私の意見)

産経新聞論説副委員長の長谷川秀行という人の記事です。この人も労働力不足が経済成長の足を引っ張っていると思い込んでいます。こういう考え方をする人は結構多いと思います。

何度も言っている事ですが、本当に人手不足だったら、高度経済成長の時代の様に毎年10%以上のスピードで賃金が上がらないとおかしいのです。そして賃金が上がるほど人手不足の時代にこそ経済成長が可能なのです。全く長谷川秀行という記者はアタマがおかしいとしか思えません。

日本は長い不況やデフレが続いてきてしまったため、賃金が上がらない事が当たり前になってしまいました。現在では私の様な主張をする人間の方が非常識だと思われてしまいます。

さすがに産経新聞の記者ですから、「外国人労働者を入れろ」だとか最悪の愚かな主張をしないだけマトモですが、この人も労働力不足というデマ情報を流す財界の手先になっている様です。

人手不足になった方が、賃金などの労働者の待遇は改善されますし、人工知能やロボットの導入が進みますから生産性も上昇するのです。この記者は人手不足というデマ情報を流し、そしてそれを悪い様にしか報道しません。

残念ながら、国会議員と話をしてもこういった人手不足というデマ情報に騙されている人はかなり多いのです。

中国でさえデフレである

 21日に閉幕したG20財務相中央銀行総裁会議は、前回会議で難航した自由貿易をめぐる議論で一定の進展を示す形となった。ただ、トランプ米政権の主張で前回の声明から「反保護主義」の記述が消えた影響はくすぶり、会議では、中国の過剰生産問題への不満も噴出。自由貿易の推進や世界経済のリスク回避に向けた結束は揺らいだままだ。

 「保護主義は世界経済に打撃を与える」。ショイブレ氏は閉幕後の会見で、米国を中心に台頭する保護主義的な動きをこう牽制(けんせい)した。

 今回の会議は自由貿易の重要性で一致したが、共同声明は見送られた。「公正な貿易」を主張するトランプ政権は輸入品への高関税も辞さない立場を変えておらず火種はなお残る。経済的な恩恵を広く行き渡らせる成長の確保を目指すことで合意した背景にも、保護主義拡大への危機感がある。

 一方、会議では、中国による鉄鋼の過剰生産が世界市場での価格下落を招いていることを問題視する意見も相次いだ。麻生氏は閉幕後の会見で、中国経済について「過剰生産や過剰投資が世界経済に混乱をもたらしている」と懸念を表明。先行きは「米国と中国の経済政策に関する不確実性が存在している」と述べ、米中の政策運営を注視していく考えを示した。

 今回の会議は「世界経済の見通しは明るい」と、回復基調にあることも確認した。だが、北朝鮮やシリアをめぐる国際情勢の緊迫化や、23日に第1回投票が迫るフランス大統領選に伴う政治の混迷といった懸念も山積している。7月にドイツで開く首脳会議では、こうしたリスクへの対処が主要議題となる。

 市場では、今回の会議の影響は限定的とみられており、関心は仏大統領選に向かっている。結果次第では、「有事の円買い」で円高が進む可能性もある。(ワシントン 小雲規生)

2017.4.22 23:01
http://www.sankei.com/economy/news/170422/ecn1704220021-n1.html

(私の意見)
中国における過剰生産が問題になっているようです。デフレとは、需要に対して供給力が上回ったデフレギャップがある状態を言います。つまり中国もデフレだという事です。
私が、中国共産党の幹部だったら貧しい中国人にお金を発行して、配ってあげます。そうす れば、貧しい中国人達が消費してデフレの解消に繋がって、中国も少しはマトモな国になるでしょう。しかし中国共産党の幹部達は自分達が富を独占して、タックスヘイブンまでしています。貧しい人々にお金を配るという発想は無いようです。
中国の様な高度経済成長を遂げている国でさえ(本当に高度経済成長していたかは疑問がありますが)、デフレに陥っているのです。つまりもはや技術進歩によって供給力を増やす事は簡単に出来てしまうのです。中国の様な内部にかなり矛盾を抱えている国でさえ、結構生産については上手くできるのです。
世界中の権力者達、経済学者達がものすごく誤解しているのです。経済を成長させるためには、供給力や生産力を増やす事だと思い込んでしまっているのです。需要や消費を増やすだけで簡単に経済など成長出来てしまうのです。それが理解出来ないでいるのです。
特に日本の政治家や経済学者達はその考え方が強いのです。それが日本経済がなかなか成長出来ない原因であるといえます。

人手不足というデマについて

現在、人手不足であり、そしてそれが経済成長の制約になっているというデマが流布されています。

確かにリーマンショック下から民主党政権における最悪の経済状況に比べれば雇用環境が改善したのは事実である。確かに失業率は2.8%まで下がりました。有効求人倍率は1.43倍まで上がりました。

しかし本当に人手不足であるならば、高度経済成長期のように毎年10%程度といった高率で賃金が上昇していないとおかしいのです。現在より高度経済成長期の方が人手不足であった事は言うまでもない事であり、この人手不足の時代に高度経済成長が出来たのです。

現在が人手不足であり、それが経済成長の制約になっているなんて考える事は全くアタマがおかしいとしか思えません。

私は人手不足というデマは、財界と共産主義者によって流されていると考えています。財界と共産主義者は考えている事が逆だと思うかもしれません。しかし、外国人労働者を増やしたい事と女性の労働市場に駆り出したいという点では一致しています。財界にとっては、労働供給量の増加で賃金を引き下げる事ができるし、共産主義者にとっては国境を無くせとか女性を働かせるというのは思想的な夢ですから。

ですから、この点に関しては労使双方で一致してしまうのです。経団連と連合の一致です。だからなかなかこの点に関して批判が出づらいのです。

私は外国人労働者の受け入れや女性を労働市場に駆り出すなどの労働供給量を増やす事は逆に経済成長を阻害するものだと考えます。

労働供給量増加→賃金の低下→購買力の低下→消費の低下→GDPの低下

人口減を案ずるより、ITやAIに大規模投資を考えよ(小野論文より)

人口減を案ずるより、ITやAIに大規模投資を考えよ(No.244)

厚生労働省は4月10日、将来推計人口を発表した。それによると50年後の2065年には日本の人口は8808万人に減少し、働き手は4割減少するのだそうだ。マスコミが大きく報じるから、さぞ大変な事が起きようとしていると思いがちだ。2015年から50年間で日本の人口は1.27億人から0.88億人に減少するということで減少幅は31%だ。一方働き手ということになっている15~64歳の人口割合はこの間、60.8%から51.4%に減少するから僅か9.4%PTの減少にすぎない。

2065年に8808万人にまで減少するがこれは60年前つまり1955年のレベル(8942万人)である。この60年間で実質GDPは47兆円から516兆円まで、つまり10倍以上に拡大した。この間の人口増加率は42%だがGDP増加率は約1000%であり、GDPの増加率は人口増加率の約24倍であり人口増加の影響はほとんど無視できると言えるくらいだ。GDPの増加は主に機械化、IT化によってもたらされ当時より現代ははるかに豊かになった。技術進歩は大きく加速しており今後50年間では第4次産業革命とよばれる産業革命が進行中である。これからの50年間ではるかに豊かになるのは間違いないが、GDPの定義は変わる可能性がある。

野村総合研究所のレポートによれば15~20年以内に日本で働いている人の49%の仕事が人工知能(AI)やロボットで代替可能になるとのこと。単純に考えればAIやロボットが仕事に協力するようになるから働き手は約2倍になる可能性がある。これが15~20年以内にすでに起きるのである。

コンピュータ技術が、今のペースで発達し続けるとある地点で、地球全人類の知能を超える、究極の人工知能が誕生する。これがシンギュラリティーと呼ばれ、これが起きるのが2045年と言われている。そのAIが自分以上に優秀なAIを作り、更にそれ以上のAIを作るというように、AIの知能が果てしなく優秀になっていくからテクノロジーの進歩は果てしなく速くなる。つまり各種事務員、受付係、レジ係、コールセンター、運転手、通訳などの仕事は容易にAIでできるようになる。

このように、ITやAIは人間の替わりに働いてくれる。例えばテスラモーターズの自動運転車は2017年中にロサンジェルスからニューヨークまで自動運転で走破する計画である。このように技術進歩があっても、その現場での利用を妨げるものがいくつかある。
①自動運転車は「運転手なしの車は公道を走れない」という規則
②運転手のいない車は怖いという先入観
③職を奪われることになる労働者による反対運動

このように克服しなければならぬ課題は山積するとはいえ導入されれば、メリットは極めて大きい。運転手なしのタクシーは料金が10分の1以下だし、事故率も10分の1になる。車同士が電子的に連結されれば渋滞は著しく緩和され、誰もが車の保有を止め共有するなら駐車場がいらなくなり好きな所で乗り捨て可能となる。各種事務員、受付係、レジ係、コールセンター、通訳など多くの職業はAI,ロボットに置きかわる。人口減少で働き手が足りなくなるどころか、人間に残された職場が無くなってしまい、お金さえうまく循環する仕組みをつくれば『労働はロボットに、人間は貴族に』という世界が出現する。大切なのはAIに政府が巨額の投資をすることだ。

http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/index.html

 

(私の意見)

小野盛司先生のブログからの引用です。私も小野先生と同様に技術は既にかなりの段階まで出来ているが、人々の新しい物に対する偏見とか、雇用が奪われるとかでせっかく素晴らしい技術が出来ているのになかなか実用化されていないというのが実態だと思います。何度も同じ事を言うのですが、中央銀行がお金を発行してそれを財源に、国民に失業しても安心して生活できるくらいのお金を支給してしまえばいいいと思います。そうすれば、わざわざ時代遅れの仕事にしがみつかなくても済みます。

まだまだ根深くデフレが続いている

食料品などの値上げが相次いでいる中で、セブン-イレブンやイオンなど流通各社が次々と値下げを発表しています。何が起きているのでしょうか。

 コンビニ最大手のセブン-イレブン。19日から洗剤や歯磨き粉など、日用品61品目を値下げします。歯ブラシは30円引き、綿棒は64円引き、平均で5%の値下げです。

 大手メーカーの商品の値下げは実に8年ぶり。その狙いは・・・

 「スーパーやドラッグストアを筆頭にした世の中の(安い)小売価格に近づいている」(セブン&アイ・HD広報 戸田雄希さん)

 背景にあるのは消費者の節約志向の高まりです。家庭の出費は12か月連続でマイナスです。

 「安いところを見つけたら、そこで買う」(買い物客)

 消費低迷の長期化にスーパー最大手のトップは・・・
 「脱デフレは大いなるイリュージョン(幻想)だった」 (イオン 岡田元也 社長)

 イオンの岡田社長は、政府の掲げた「デフレ脱却」は幻想だったと指摘。増税やメーカーの値上げで業績が悪化したというのです。

 「当時の政府やマスコミもあったかもしれないが、いわゆる“値上げどう喝”ですね。これに屈したと思います」(イオン 岡田元也 社長)

 今週から値下げする商品を新たに最大254品目、拡大しました。4月から大手メーカーが値上げする食用油は、イオンのプライベート商品では65円の値下げです。来月は電気料金やティッシュなどの値上げを控える中、流通各社はさらなる値下げに踏み切れるでしょうか。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170419-00000054-jnn-bus_all

全国 平成29年(2017年)2月分 前年同月比
総合:0.3%  生鮮食品を除く総合:0.2%  生鮮食品及びエネルギーを除く総合:0.1%

 

(私の意見)
日銀は既に1100兆円あると言われている国債の40%を購入しています。これだけ金融緩和をやってもデフレから脱却できない状況です。これは日本の供給力・生産力が強すぎるからという問題があります。もっと大規模な減税や歳出の増加政策を行って需要を増やす必要があります。しかし国会議員達は国債の発行を増やす事を躊躇してしまうのです。そのためになかなかデフレから脱却できないのです。もはや中央銀行が発行したお金を直接国民全員の銀行口座に振り込んでしまうような大胆な政策が必要な時期に来ているのですが、なかなか人々の発想が追いつけていません。

間抜けな工作員高橋伸彰について

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この人は非常に経済の本質を理解しています。
さすが左翼の学者は頭がいいですね。

その通りです。経済を縮小させるのも拡大させるのも需要問題なんですよね。
供給力を増やす事が経済を成長させると思い込んでいる馬鹿とは違います。

しかし工作員としては間抜けですね。本音を言ってしまったわけですから。

文化遅滞説について

アメリカの社会学者オグバーンによる「文化遅滞説」という考え方があります。

文化遅滞説とは、科学技術などの物質文化に対する心理的抵抗よりも制度や習慣などの非物質文化/社会的文化に対する心理的抵抗の方が強いため、そのギャップが社会や集団に混乱や不安をもたらすと言われているものです。

何を言っているのか分からないと思いますのでもっと簡単に言うと、技術の変化は人間の思考や習慣が追いつくよりも速く、価値観の変化が間に合わないことがいろいろな摩擦や問題を引き起こすということです。

現在の例を挙げれば、人工知能やロボットの技術進歩は我々の想像を超えるスピードで進歩しています。

野村総研によれば10~20年後に、日本の労働人口の半分が就いている職業において、それらに代替することが可能と言っています。私の認識ではもっと早く進むのではと思っています。

https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

労働は人工知能やロボットが出来ますから、どんどん価値が無い時代になって来ているのです。もはや我々は「勤労は尊い」という価値観を捨てなければならない時代に来ているのです。

でも、人々の価値観はなかなかついていけない状態です。男女共同参画だとか言って、女性をもっと働かせる事が正しいと思い込んでしまいます。労働力不足だと思い込んで、外国人労働者を入れなければならないと思い込んでしまいます。年金の支給年齢を遅らせて、もっと高齢者をもっと働かせなければならないと思い込んでしまいます。

なかなか技術進歩に価値観がついていけないようです。